大腸がん肝転移症例の術後補助化学療法に関する研究

文献情報

文献番号
200400502A
報告書区分
総括
研究課題名
大腸がん肝転移症例の術後補助化学療法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 知行(愛知県がんセンター病院)
研究分担者(所属機関)
  • 島田 安博(国立がんセンター中央病院消化器内科)
  • 池田 栄一(山形県立中央病院外科)
  • 澤田 俊夫(群馬県がんセンター消化器外科)
  • 高橋 進一郎(国立がんセンター東病院上腹部外科)
  • 滝口 伸浩(千葉県がんセンター消化器外科)
  • 藤田 伸(国立がんセンター中央病院大腸外科)
  • 杉原 健一(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究所消化器外科)
  • 池 秀之(横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター・消化器病センター)
  • 大植 雅之(大阪府立成人病センター消化器外科)
  • 三嶋 秀行(国立病院大阪医療センター消化器外科)
  • 棚田 稔(国立病院四国がんセンター消化器外科)
  • 岡村 健(国立病院九州がんセンター消化器外科)
  • 白水 和雄(久留米大学医学部外科消化器外科)
  • 山口 茂樹(静岡県立静岡がんセンター大腸外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
52,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
大腸がんの主要な転移・再発である肝転移切除後の再発抑制を目的として,新規抗癌剤であるオキサリプラチンを含んだ5FU+ロイコボリン(LV)+オキサリプラチン(FOLFOX6療法)の臨床的有用性を検証する。
研究方法
FOLFOX療法は本邦では行われていない。そこで国内での安全性と有効性を確認するために,大腸癌転移・再発非切除例を対象としたFOLFOX6療法の第2相試験を行った上で肝転移完全切除例を対象とした第3相試験を行う。第3相試験はJCOG大腸癌グループ47施設の参加による多施設共同研究である。
結果と考察
1)第2相試験および第3相試験には海外で基準治療とされるFOLFOX4と同等の効果があり,しかも治療法が簡便なFOLFOX6療法を採用することとした。
2)第2相試験についてはプロトコールを完成し,平成17年4月から登録を開始する。FOLFOX6療法の投与レジメンは第1日目にオキサリプラチン100mg/m2とL型ロイコボリン100mg/m2を2時間で点滴静注した後に5FU400mg/m2を急速静注,その後5FU2400mg/m2を46時間で静注する。上記を2週毎に施行し,2週間を1サイクルとする。4サイクル行って評価する。主評価項目は奏効率,副評価項目は安全性,無増悪生存期間,生存期間である。予定登録症例数は45例,登録期間は6ヶ月,追跡期間は2年,総研究期間は3年である。
3)第3相試験のデザインは,肝転移切除単独を対照群とし手術+FOLFOX6療法を試験群とした無作為化比較試験である。班会議およびJCOG運営委員会でプロトコールコンセプトの承認を得た。FOLFOX6のオキサリプラチンの投与量は国内承認用量である85mg/m2を採用する。主評価項目は無再発生存期間,副評価項目は全生存期間,有害事象,肝切除後再発形式,化学療法完遂率である。研究群症例が30例集積した時点で中間解析を行い安全性について検討する。 
結論
大腸がん肝転移切除後の再発抑制を目的として,FOLFOX6療法の臨床的有用性を検証する大規模比較試験を計画した。よりよい治療法を科学的に検証することは,がん患者ばかりでなく医療行政上からも貢献できる。

公開日・更新日

公開日
2005-05-27
更新日
-