局所限局非小細胞肺がんの集学的治療に関する研究

文献情報

文献番号
200400497A
報告書区分
総括
研究課題名
局所限局非小細胞肺がんの集学的治療に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 治文(東京医科大学病院外科第一講座)
研究分担者(所属機関)
  • 一瀬 幸人(国立病院九州がんセンター腫瘍外科)
  • 岡田 守人(兵庫県立成人病センター呼吸器外科)
  • 小池 輝明(新潟県立がんセンター新潟病院腫瘍外科)
  • 近藤 丘(東北大学加齢医学研究所呼吸器外科)
  • 鈴木 健司(国立がんセンター中央病院呼吸器外科)
  • 多田 弘人(大阪市立総合医療センター呼吸器外科)
  • 中川 勝裕(大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター呼吸器外科)
  • 光冨 徹哉(愛知県がんセンター腫瘍外科)
  • 吉田 純司(国立がんセンター東病院呼吸器外科)
  • 國頭 英夫(国立がんセンター中央病院呼吸器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)奏効率・毒性の異なる二種類の化学療法レジメンから術前化学療法への適性を検討し、臨床第Ⅲ試験の試験治療を決定する。
2)病理病期IB-II非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術後化学療法の安全性および有用性を検証し、本邦における術後化学療法レジメンの妥当性を検討する。
3)臨床病期IB-II非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術前化学療法の有用性を検討する。
研究方法
前研究では、臨床病期 IB-II期NSCLC症例に対してシスプラチン+ドセタキセル (DC)とドセタキセル (D)単剤という二種類の化学療法のいずれかを行い、一年無再発生存割合、治療完遂率等をエンドポイントとして大規模試験に適当な術前化学療法を選択する。登録症例数は80例。今年度、集積後1年の評価を行い、至適治療レジメンを決定する。次いで、術後の標準的化学療法レジメンを決定する比較試験(研究A)を行った後、先に決定された術前化学療法+手術+術後補助療法群を手術+術後補助療法群を対照とした比較試験(研究B)で検証する。
結果と考察
本年度の研究は、臨床病期IB-II 非小細胞肺癌症例に対して、DC療法とD単剤療法という二種類の化学療法を用いて術前化学療法のランダム化第Ⅱ相試験を行った。術後合併症はDC群に多かったが、主たる解析の1年無再発生存割合は、DC群の77.3%に対しD群のそれは59.0%であり、治療完遂率(95.0% vs 53.9%)、治療奏効割合(45.0% vs 15.4%)、完全切除割合のいずれの項目においてもDC群が良好な成績であった。比較的早期の局所限局肺癌でも進行病期に汎用されるプラチナ製剤併用化学療法レジメンの治療インパクトは大きく、術前治療においてその認容性が高いことが示唆された。次いで、本邦における術後補助化学療法の当該病期における妥当なレジメンを決定する大規模臨床試験(本研究A)のコンセプトシートを作成した。試験のデザインは、本邦で有用性が証明されたテガフール・ウラシル配合剤と欧米で評価されたプラチナ製剤併用化学療法との無作為化比較試験(第Ⅲ相試験)である。
結論
当該病期の次期術前化学療法を含む臨床試験においてはシスプラチン併用療法(DC療法)を治療レジメンとして選択をすることとした。本研究(研究A)は、2005年3月末現在試験実施計画書作成中であり、結論は得られていない。

公開日・更新日

公開日
2005-12-06
更新日
-