がん臨床研究の戦略的推進及び効率的均てん化のための研究

文献情報

文献番号
200400492A
報告書区分
総括
研究課題名
がん臨床研究の戦略的推進及び効率的均てん化のための研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
西條 長宏(国立がんセンター東病院)
研究分担者(所属機関)
  • 佐々木 常雄(東京都立駒込病院)
  • 福岡 正博(近畿大学 医学部)
  • 竹内 正弘(北里大学 薬学部)
  • 佐々木 康綱(埼玉医科大学)
  • 秋田 弘俊(北海道大学)
  • 吉川 裕之(筑波大学)
  • 笹子 充(国立がんセンター中央病院)
  • 大津 敦(国立がんセンター東病院)
  • 田村 友秀(国立がんセンター中央病院)
  • 福田 治彦(国立がんセンターがん予防・検診研究センター)
  • 松野 吉宏(国立がんセンター中央病院)
  • 大江 裕一郎(国立がんセンター中央病院)
  • 土屋 了介(国立がんセンター中央病院)
  • 吉本 賢隆(国際医療福祉大学附属三田病院 乳腺センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
40,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん臨床研究の戦略的推進のため、多施設研究グループを整備し最も緊急性を要するテーマを検討し、研究を効率よく遂行するために必要な条件を明らかにしそれを具体化する。また効果的系統的教育カリキュラムを具体化しそれに基づく教育セミナーを行う。十分な知識と技術をもつ臨床腫瘍専門医を養成する。一方、実技は全がん協・特定機能病院において教育する。このような努力により優れた臨床研究を推進するとともにその成果を効率よく均てん化する。
研究方法
国内臨床研究の戦略的推進に寄与しつつある研究グループ(JCOG、WJTOG)の実状と問題点を整理する。医師主導治療の推進に必要なインフラストラクチャーを明らかにする。EBMに基づく診療ガイドラインの作成を試みた。JCOGグループの成果を内部及び学会と連携してアピールすることを試みる。大学に臨床腫瘍学講座を創設する努力を行うとともに集中講義などの工夫を行う。ミッションの明らかな学会を造るとともにグローバルスタンダードの臨床腫瘍学の教育を試み、専門医認定の土台を築く。またメディアや患者団体とともに行政に均てん化を進めるため働きかけを行う。
結果と考察
臨床研究の戦略的推進のためには、研究者グループ、データセンター、および臨床試験審査委員会・効果安全性評価委員会など各種委員会の3つの成分より構成される研究グループが必要である。JCOG、WJTOGなどはこれらの組織を基盤とし積極的研究活動を行い成果を挙げてきている。今年度は医師主導治験の安全性情報管理体制を整備している。またJCOGは約50の臨床試験に関与し年間登録数は1,000?1,500例と増加している。
効率的均てん化のためには卒前、卒後教育の充実が必須である。臨床腫瘍学講座のある大学は少ないが他施設からの医師による講義も含め臨床腫瘍学の集中講義を具体化してきた。また、卒後教育としては日本臨床腫瘍学会(JSMO)、JCOG、および全がん協を中心とした専門病院が臨床腫瘍医の養成を目的として、コアカリキュラムの作成、教育セミナーの実施、臨床研究グループへの参加の促進等を行った。JSMOは会員数が3,200名を越した。又、JCOGの各臓器別研究グループでは参加者が各々150?200名となり均てん化に寄与した。
結論
がん臨床研究の推進とその成果の均てん化のためには各大学に臨床腫瘍学講座の新設が必須である。それまでは、JCOGや日本臨床腫瘍学会等のパッションのあるグループがその代行を行うことにより、当初の目的に少しでも近づきうると期待される。

公開日・更新日

公開日
2005-04-15
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-03
更新日
-