再発高危険度群乳がんの予後改善を目指した標準的治療法確立に関する研究

文献情報

文献番号
200400484A
報告書区分
総括
研究課題名
再発高危険度群乳がんの予後改善を目指した標準的治療法確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
渡辺 亨(国際医療福祉大学山王メディカルプラザオンコロジーセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 向井 博文(国立がんセンター東病院)
  • 中村 清吾(聖路加国際病院)
  • 光森 通英(京都大学大学院放射線治療)
  • 岩田 広治(愛知県がんセンター乳腺科)
  • 大野 真司(九州がんセンター)
  • 青儀 健二郎(四国がんセンター)
  • 津田 均(防衛医科大学校第二病理)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
原発乳がんに対する術前化学療法とそれに続く放射線照射の有効性と安全性を評価する。Primary endpoint:病理学的完全奏効割合。secondary endpoints:有害事象、臨床的完全奏効割合、乳房温存割合、無再発生存期間、全生存期間。
研究方法
【対象症例】次の規準を全て満たす・Core needle biopsyによる組織診にて浸潤性乳がんと診断された女性・臨床病期1期-3A期・乳腺エコーによる腫瘍径2cm以上5cm以下・同側乳房内の多発病変を持つ場合はブースト照射の計画標的面積に含まれる・同時両側乳がんを有さない・20歳以上70歳以下・PS (ECOG) 0、1 ・化学療法・放射線照射の既往がない・適性臓器機能を有する・試験参加に関する患者本人の文書同意 【治療方法】・化学療法:AC(adriamycin 60mg/m2, cyclophosphamide 600mg/m2)3週間毎に4サイクル、paclitaxel 80mg/m2 7日毎に12サイクル・術前放射線療法:45グレイ(16分割+腫瘍部位にboost 10Gy)・手術:各施設で手術術式、病理学的完全効果の判定が適切に実施しうるように検体採取。
結果と考察
【結果】試験計画の科学性、倫理性に関しては第三者機関による審査を受け承認が得られた。この試験計画に基づいて全国30の乳がん診療専門施設(薬物療法部門、放射線治療部門、外科手術部門、病理診断部門、画像診断部門)による共同臨床試験を行う体制作りが完成した。【考察】本研究は、抗がん剤治療、放射線治療、外科手術という複数の治療手段の併用を総合的に評価する臨床研究である。乳がん領域では、薬物療法を対象とした臨床試験や治験は数多く行われており、乳がん以外にも内科、外科などの単一専門領域を対象とした多施設臨床試験は数多い。しかし本研究のように、乳がん診療専門施設におけるチーム医療を前提とした多施設共同臨床試験は初の試みでありその成果が期待できる。
結論
すでに作成したプロトコールは、科学性、倫理性に対して十分な検討が行われており、円滑な試験の遂行が期待できる。すでに登録された症例について規定の治療、経過観察、経過報告を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2006-11-14
更新日
-