その他、がんの実態把握とがん情報の発信に関する特に重要な研究

文献情報

文献番号
200400470A
報告書区分
総括
研究課題名
その他、がんの実態把握とがん情報の発信に関する特に重要な研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
手島 昭樹(大阪大学大学院(医学系研究科))
研究分担者(所属機関)
  • 光森 通英(京都大学大学院(医学研究科))
  • 宇野 隆(千葉大学大学院(医学研究院))
  • 中村 和正(九州大学大学院(医学研究院))
  • 角 美奈子(国立がんセンター)
  • 戸板 孝文(琉球大学(医学部))
  • 小川 和彦(琉球大学(医学部))
  • 鹿間 直人(信州大学医学部附属病院)
  • 立崎 英夫(放射線医学総合研究所)
  • 大野 ゆう子(大阪大学大学院(医学系研究科))
  • 池田 恢(国立がんセンター)
  • 権丈 雅浩(広島大学大学院(医歯薬研究科))
  • 大西 洋(山梨大学(医学部))
  • 小口 正彦(癌研究会附属病院)
  • 原内 一(大阪大学大学院(医学系研究科))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん臨床の現場で有用性の高い治療過程、構造情報を充実させたJapanese National Cancer Database(JNCDB)を構築し、既存の臓器別がん登録、院内がん登録、地域がん登録と情報共有による入力作業重複回避を目指す。
研究方法
1)臓器別癌登録グループ、助成金総合研究(15-1)山崎班と情報共有のために個人情報部分の不可逆匿名化技術を共同開発し、標準化する。2)各臓器別がん登録実務担当者や責任者との議論を経てJNCDBプロトタイプを開発する。3)米国NCDBを視察・情報交換する。4)地域がん診療拠点病院の電子カルテ、病院情報システムHIS、放射線情報システムRISとの接続状況を調査する。
結果と考察
1)個人情報部分のハッシュ化(一方向難読化)により情報共有のため照合を技術的に可能にした。2)JNCDBのプロトタイプを日本版Patterns of Care Study(JPCS)のDBと集積情報をもとに各臓器別がん登録グループの実務担当者との議論を経て200項目以下に絞り込み、Web based databaseとして完成した。3)米国NCDBはがん登録が法制化され、腫瘍登録士が多く、院内がん登録ベンダーがNCDB用成型を行い、シーケンシャル・テキスト・ファイルで提出可能にしていた。法的根拠をもとに人的資源、コストを注入し80%以上のがん患者のデータを集積するシステム、データの質的管理、質の高いデータをもとにした大規模臨床的疫学研究の実態、各施設における臨床プログラムの実践と施設認定にもとづく患者集積などの重要情報を得た。4)地域がん拠点病院において電子カルテが15%、HISとRIS等の他モダリテイは60%前後の導入率であった。モダリテイ間の連結時のデータプロトコルはメーカ独自の書式・規格が採用され、複数施設間情報統合は現状では困難である。わが国の電子カルテ/HIS/RIS接合は早急な改善を要する。
院内がん登録データを真に生かし各施設の診療の質を向上させるには治療過程と構造(人員、装備)情報の充実が必須である。結果評価は地域がん登録の追跡情報が必要である。JNCDBは上記要求を満たし各種がん登録間の入力作業重複を回避し、臨床現場により有用な情報を還元できる。
結論
JNCDB開発と運用によりわが国のがん診療の実態が正確に把握され、日常診療の質を具体的に改善できる。

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-