効果的ながん情報提供システムに関する研究

文献情報

文献番号
200400468A
報告書区分
総括
研究課題名
効果的ながん情報提供システムに関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
若尾 文彦(国立がんセンター中央病院放射線診断部)
研究分担者(所属機関)
  • 新海 哲(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター)
  • 斉川 雅久(国立がんセンター東病院外来部)
  • 加藤 抱一(国立がんセンター中央病院臨床検査部)
  • 山城 勝重(独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター臨床検査科)
  • 福田 治彦(国立がんセンターがん予防・検診研究センター情報部)
  • 石川ベンジャミン光一(国立がんセンターがん予防・検診研究センター情報部)
  • 松谷 司郎(東京大学大学院医学研究科クリニカルバイオインフォマティクス研究ユニット)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
70,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
第3次対がん総合戦略の戦略目標の1つであるがん診療の「均てん化」を推進するために、効果的ながん提供システムの構築を目的とする。
研究方法
わが国の各学会、研究会等で作成されている診療ガイドラインについて、検索・アンケート調査を行った。また、乳がん手術のクリニカルパスを収集し、施設間較差を検討した。さらに、病院情報システムに蓄積されているがん診療情報を匿名化し、各種解析に利用できる診療情報データウエアハウスの構築を検討した。最新のテレコミュニケーション技術について調査・検討を行い、がん医療において遠隔コンサルテーションを行うシステムの機能要件、運用方法について検討した。
結果と考察
がん診療ガイドラインについて調査を行った結果、現時点で作成されているものが17、作成中であるものが13であることが判明した。ガイドラインは、まだ十分に浸透し活用されるには至っておらず、がん診療ガイドラインのポータルサイト、ガイドラインデータベースを構築し、医療従事者に利用しやすい形で提供するシステムが必要であると考える。
10施設の乳がん手術のクリニカルパスを収集し内容の解析を行い、がんセンター群とその他の施設群で、入院日数等において、大きな相違があることを確認した。今後、全国の医療施設で活用できる標準治療に基づいたがん診療クリニカルパスをデータベース化し公開することで、診療の標準化、医療安全の推進をはかるとともに平均在院日数の短縮など医療効率の向上に貢献すること思われる。
病院情報システムに蓄積されているがん診療情報から、診断、検査、治療に関するデータを抽出し、実施されている診療内容について集計・解析を行う診療プロセス解析システムについて検討を行った。本システムの構築により、診療支援として利用できるとともに、診療実績の評価に利用できると考える。
結論
効果的ながん提供システムの構築のためのがん診療情報データベースの構築、情報システムからの診療情報の抽出・解析、がん遠隔カンファレンス・コンサルテーションシステム、対話型がん情報提供システムに関する検討をおこなった。がん診療ガイドライン・クリニカルパスは、がん診療の標準化のために必要不可な情報提供コンテンツとして、整備が必要であると考えられる。また、病院情報システムから診療情報を抽出・解析することで、診療支援に役立つ情報を産出することができると考える。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-