がん予防対策のためのがん罹患・死亡動向の実態把握の研究

文献情報

文献番号
200400467A
報告書区分
総括
研究課題名
がん予防対策のためのがん罹患・死亡動向の実態把握の研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
祖父江 友孝(国立がんセンターがん予防検診・研究センター情報研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 味木和喜子(大阪府立成人病センター調査部)
  • 松田徹(山形県立がん・生活習慣病センターがん対策部)
  • 三上春夫(千葉県がんセンター研究局疫学研究部)
  • 岡本直幸(神奈川県立がんセンター臨床研究所研究第三科)
  • 早田みどり((財)放射線影響研究所(長崎)疫学部)
  • 片山博昭((財)放射線影響研究所(広島)情報技術部)
  • 大瀧慈(広島大学原爆放射能医学研究所計量生物研究分野)
  • 水野正一(東京都老人総合研究所)
  • 金子聡(国立がんセンターがん予防検診研究センター情報研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
117,435,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域がん登録・院内がん登録を国策として強力に推進し、その統合化を通して、我が国におけるがんの正確な実態を把握することにより、がん対策の正しい方向付けを支援することを目的とする。
研究方法
地域がん登録中央登録室における登録手順の整備と標準化に関して、標準化プロジェクト運営委員会による電話会議や合意形成会議を通じて標準を設定する。47都道府県の各地域がん登録の状況を把握するため、地域がん登録全国協議会と合同調査を実施する。一定の登録精度基準を満たす地域がん登録データを収集し、がん罹患率全国値推計作業を開始する。国立がんセンターにて「拠点病院定義」に準拠した院内がん登録を運用する。既存のがん罹患・死亡情報を用いて動向分析を進める。
結果と考察
わが国の地域がん登録における「目標と基準」として、8項目(公的承認、登録項目、登録の完全性、登録の即時性、登録の品質、予後調査、報告書作成、研究的利用手続き)を検討した。標準登録票(医療機関から県中央登録室への報告)25項目、第1期基準モニタリング項目(全国値推計のための県中央登録室から国立がんセンターへの報告)12項目を定め、死亡情報の利用、ICD-O-3へのコード変換、多重がんの定義についての統一基準を検討した。47都道府県を対象として「事前調査」を実施し、15府県を支援地域として選出した。これらから全国罹患率推計用データを収集するとともに、標準化・精度向上支援を開始した。放射線影響研究所における地域がん登録システムをもとに、中規模地域標準システムを開発し、山形県において導入を進めている。国立がんセンター院内がん登録において、拠点病院向けに開発した標準システムに登録対象発見プログラム(Casefinder)を追加し、平成16年1月以降の新規症例を対象として約5,500例を登録した。がん死亡・罹患情報の動向分析結果を、ホームページに公開するとともに、性別市区町村別死亡相対危険度の年次推移をアニメーション地図により検討した。
結論
地域がん登録の標準化への取り組みを開始するとともに、比較的精度の高い15地域を支援地域として選出し、罹患情報の収集を開始した。国立がんセンターの院内がん登録を整備する事により、標準化された院内がん登録の普及促進を目指す。がん統計を一元管理し、動向を分析することにより、質の高いがん統計のモニタリングが可能となる。

公開日・更新日

公開日
2005-04-28
更新日
-