がん治療のための革新的新技術の開発研究

文献情報

文献番号
200400457A
報告書区分
総括
研究課題名
がん治療のための革新的新技術の開発研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
野村 和弘(国立がんセンター中央病院)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 寿光(国立がんセンター がん予防健診・研究センター)
  • 伊関 洋(東京女子医科大学 大学院)
  • 荻野 尚(国立がんセンター東病院)
  • 近藤 達也(国立国際医療センター)
  • 田野崎 隆二(国立がんセンター中央病院)
  • 若杉 尋(国立がんセンター研究所)
  • 藤元 博行(国立がんセンター中央病院)
  • 笹子 充(国立がんセンター中央病院)
  • 森谷 宜皓(国立がんセンター中央病院)
  • 村田 智(日本医科大学 医学部)
  • 公文 裕巳(岡山大学 大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
100,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国民の3人に1人、年間約30万人に達するがん死亡は国民の健康防衛からすると克服しなければならない重要課題である。これらの難治がんを攻略するために、外科領域、内科領域、放射線領域における治療法に新規軸を導入してがんの攻略にあたる。
研究方法
外科領域においては、既存の外科手術の課題を打開し、摘出術による治癒率向上を目指すと共に最新の電子工学的技術を導入して、治癒率向上のための新医療技術開発を促進する。内科領域においては、同種血液/免疫細胞療法、遺伝子治療の開発成果の臨床移行を推進する。また、IVRを有効に利用した局所還流を生かした、骨盤内限局進行がんに対する臨床研究を行う。
放射線療法においては、陽子線治療装置とPET装置を統合して精度の高いナビゲーションシステムの開発、通常の放射線治療の位置決め装置をレーザー応用による3次元体表座標を開発する。倫理面への配慮:全ての研究は実施計画書を作成し、当該施設の倫理委員会で審査され、ヘルシンキ宣言に順じて行われた。
結果と考察
1)外科領域においては、手術技術コンセプトの確立と要素技術の推進により、従来に無い手術支援装置の開発を進め実現性に一歩近づいた。このような医療技術の導入によって、医療の水準を向上させ、さらに安全で高度な医療技術の開発を促進する事ができる。2)内科領域では、閉鎖循環下抗がん剤灌流療法の有効性を確認した。本法は臨床での有効治療に直結し、進行難治がんへの確実な攻略法となる。その他、NKT細胞を利用した新しいがん免疫療法、同種血液・免疫細胞を用いた悪性腫瘍に対する治療においても、第1相臨床試験への準備を進めている。3)放射線療法においては、陽子線治療装置とPET装置を統合してビームオンラインPETシステムの開発を進め、プロトタイプPETで、照射部位、照射量の測定が可能であることを確認した。
結論
外科領域では、手術手技の改良と現在のIT技術を活用した汎用手術支援機器を用い超微細内視鏡による低侵襲、効果的な治療の開発を進めた。内科領域では、局所閉鎖循環系を樹立して、骨盤内超進行がんの治療を可能とした。放射線領域では、陽子線の照射量、部位をリアルタイムで計測できるシステムの開発を行う、プロトタイプの機器にて実現の可能性を確認した。

公開日・更新日

公開日
2005-05-24
更新日
-