新しい診断機器の検診への応用とこれらを用いた診断精度の向上に関する研究

文献情報

文献番号
200400448A
報告書区分
総括
研究課題名
新しい診断機器の検診への応用とこれらを用いた診断精度の向上に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
斉藤 大三(国立がんセンター中央病院(内視鏡部))
研究分担者(所属機関)
  • 寺野 彰(獨協医科大学(学長))
  • 石川 勉(栃木県立がんセンター(画像診断部))
  • 杉村 和朗(神戸大学大学院医学系研究科)
  • 井上 登美夫(横浜市立大学大学院医学研究科)
  • 中山 富雄(大阪府立成人病センター(調査部疫学課))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
57,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1)狭帯域分光内視鏡(NBI)システムおよび(2)カプセル内視鏡検査の意義および有用性、(3)THI(Tissue Harmonic Imaging)法による腹部超音波検診成績、(4)MRI検診を目指した高速撮影法および拡散強調画像の開発、(5)PET検診の有効性の評価および専門医師不足状況下での検診の質の維持、(6)新しい診断法を検診に導入する事前評価などについて検討する。
研究方法
(1)中・下咽頭表在がんおよび表在性の食道内多発がんに対する有用性を検討する。(2)小腸および小腸以外の消化管の所見を評価した。(3)従来法とTHI法の判定結果および要精検率とがん発見率の変化を比較した。(4)MRI拡散強調画像の描出能および子宮に対する高速MRIの適応を検討した。(5)PET検診の利益とリスクを評価する方法について検討した。また、胸部の自動診断ソフトを評価した。(6)膵がん・胆嚢がんの超音波検診のモデル分析を試みた。また、PET検診の文献を収集し予備的評価を行った。
結果と考察
(1)各群150例(両群で300例)を5施設で検討する。(2)原因不明消化管出血13例では小腸病変を全例に認めたが、31例の別検討では食道・胃・大腸病変の検出率は20%前後と低率であった。(3)THI法では15.9%は判定が軽くなった。THI導入によるがん発見の感度の低下はなく要精検率の向上が認められた。(4)自由呼吸下の撮像でも評価可能な画像が得られ、また高速撮影法の子宮がん検診への応用性が示唆された。(5)男性、また高齢で利益/リスク比が高かった。胸部の自動診断ソフトは胸郭変形例では精度に問題があった。(6)超音波膵がん、胆嚢がん検診の余命延命効果はそれぞれ0.27年、7.71年と推定された。
結論
(1)平成17年2-3月から本試験が開始された。(2)カプセル内視鏡は小腸病変の診断には有用性が高いが、他の消化管病変に関してはシステムの改良や工夫が必要である。(3) THI法の導入は超音波検診精度を向上させる可能性が示唆された。(4)拡散強調像、高速撮影法などMRIをがん検診に応用し得る可能性が見出された。(5)PET検診の有効性をシュミレーションする方法にある程度目途がついた。自動診断システムはまだ開発段階である。(6)超音波検診は複数臓器での評価、PET検診に関してはパラメータとなる基礎的成績の収集が必要である。

公開日・更新日

公開日
2005-04-08
更新日
-