小児科における注意欠陥・多動性障害に対する診断治療ガイドライン作成に関する研究

文献情報

文献番号
200400425A
報告書区分
総括
研究課題名
小児科における注意欠陥・多動性障害に対する診断治療ガイドライン作成に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
宮島 祐(東京医科大学小児科学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 田中 英高(大阪医科大学小児科学教室)
  • 林 北見(東京女子医科大学小児科学教室)
  • 宮本 信也(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
  • 小枝 達也(鳥取大学地域学部発達科学講座)
  • 山下 裕史朗(久留米大学医学部小児科学教室)
  • 齊藤 万比古(国立精神神経センター児童思春期精神保健部)
  • 加我 牧子(国立精神神経センター知的障害部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 小児疾患臨床研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
注意欠陥/多動性障害(ADHD)の診断治療において、客観性のある診断・治療評価尺度を明確にした小児科診療の現場で有用なガイドラインを作成する。
MPHの効果判定として、ITを用いた情報開示を行い、小児精神領域における本邦初の二重盲検法を用いた多施設共同臨床研究を行う。
診断・評価尺度として新たな診断ツール、客観的評価法の開発をおこなう。
研究方法
ガイドラインは分担執筆で、一般小児科医がADHDおよび近縁症状を呈する小児を診療する上で有用となるよう、見やすく応用しやすい内容・サイズとし、親の会の意見も参考にする。多施設共同臨床研究デザインは多施設共同・可変用量・二重盲検とし、分担研究者所属の8施設。対象は6歳から12歳。研究施設受診可能でIT上で開示した研究内容を理解し、同意した患者家族を第一とし、4号カプセル服用可能児とする。各施設で2-3例、合計20例を目標とする。コントローラーは薬理学専門家に依頼。実施に際し倫理委員会審査を通ることを必須とする。
結果と考察
ガイドラインは各国から情報収集し、医師の他多業種を交えて作成されたニュージーランド版をモデルに,日本の現状に即した形で17年度秋に原案作成、平成18年4月の小児科学会で公開し学会員の啓発・浸透を図る。
多施設共同臨床研究はプラセボ薬調達に企業の協力が得られず苦慮したが,米国の臨床研究担当者からプラセボ薬作成情報があり活路が開かれた。ITでの情報公開により受診前に内容を確認し,開始前に研究の目的、効果、危険性などの説明を受け選択ができること、本研究に同意しない場合でも不利益を受けないこと。同意後も本人・親権者の意思により撤回できること。またアセントを実施する。有害事象が発生した場合、当該施設は速やかに事務局に連絡を取り、事務局は厚生労働省と患者・家族を含め関係者に公表およびIT上に公開するが、全ての個人情報はセキュリティーシステムを厳守する。
客観性のある診断・治療評価尺度としてBrown ADHD診断スケール、米国小児科学会作成ADHD診断ツールキット、皮肉比喩テストなどを開発することは会員ニーズに答える上でも重要と位置づける
結論
ガイドラインは精神保健研究,文部科学省が並行して行われ,本研究班の目的と近接しているが対象は異なっており、本研究成果は一般小児科医にとって有用と考えられる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-09
更新日
-