小児難治性腎疾患に対する薬物療法ガイドライン作成のための多施設共同研究と臨床試験体制整備

文献情報

文献番号
200400424A
報告書区分
総括
研究課題名
小児難治性腎疾患に対する薬物療法ガイドライン作成のための多施設共同研究と臨床試験体制整備
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 徳茂(和歌山県立医科大学医学部小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 五十嵐 隆(東京大学医学部小児科)
  • 本田 雅敬(東京都立八王子小児病院)
  • 飯島 一誠(国立成育医療センター)
  • 川村 孝(京都大学保健管理センター)
  • 中村 秀文(国立成育医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 小児疾患臨床研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
35,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 慢性特定疾患研究事業の対象となる小児難治性腎疾患患者数は年間8,400名、末期腎不全に至る患児も年間100名に達している。これらの難治性腎疾患のなかで特に薬物療法の開発が急務なものとして、IgA腎症、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群、ステロイド依存性ネフローゼ症候群がある。
本研究の目的は、多施設によるランダム化比較試験により、上記の小児難治性腎疾患の有効で副作用の少ない薬物療法を開発し、治療ガイドラインを作成することにある。
研究方法
 日本臨床研究支援ユニットの大橋靖雄理事長、中村秀文分担研究者のアドバイスをえながら、IgA腎症のプロトコールは五十嵐隆分担研究者、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群のプロトコールは本田雅敬分担研究者、ステロイド依存性ネフローゼ症候群のプロトコールは飯島一誠分担研究者を中心に作成した。
結果と考察
 1)IgA腎症治療研究
 登録患者はリシノプリル単独療法群とリシノプリル+ロサルタン併用療法群にランダムに割付けられ、2年間の試験治療が行われる。2年間の試験治療終了後2年間の追跡が行われる。
 今回作成した研究実施計画書は平成17年4月の時点で、和歌山県立医科大学を始め、18施設の倫理審査委員会にて承認を受けており、研究方法の妥当性が証明されたと考えられる。
 2)ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群治療研究:
 シクロスポリン+プレドニゾロン併用療法とコハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム+シクロスポリン+プレドニゾロン併用療法の多施設共同非盲検ランダム化比較試験の研究実施計画書を作成した。今後、各施設での速やかな倫理委員会の審査を経て、臨床試験を実施する。
 3)ステロイド依存性ネフローゼ症候群治療研究
 C2値モニタリングで、シクロスポリン高値調節群と低値調節群の2群に分け、その有効性と安全性を比較し、小児頻回再発型ネフローゼ症候群に対する標準治療法を選択することとした。多施設共同非盲検ランダム化比較試験の研究実施計画書を作成した。今後、各施設での速やかな倫理委員会の審査を経て、臨床試験を実施する予定である。
結論
 本研究の目的は、多施設によるランダム化比較試験により、IgA腎症、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群、ステロイド依存性ネフローゼ症候群のの有効で副作用の少ない薬物療法を開発し、治療ガイドラインを作成することである。新たなランダム化比較試験を実施するための治療研究実施計画書、説明同意文書、アセント文書、症例登録票、治療経過報告書、追跡調査書、有害事象緊急報告書を完成した。

公開日・更新日

公開日
2005-05-23
更新日
-