小児2型糖尿病に対する経口血糖降下薬治療のエビデンスの確立:特にメトフォルミンの至適投与量、有効性と安全性の研究

文献情報

文献番号
200400423A
報告書区分
総括
研究課題名
小児2型糖尿病に対する経口血糖降下薬治療のエビデンスの確立:特にメトフォルミンの至適投与量、有効性と安全性の研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
松浦 信夫(聖徳大学人文学部児童学科)
研究分担者(所属機関)
  • 雨宮 伸(山梨大学医学部小児科)
  • 杉原 茂孝(東京女子医大第2病院小児科)
  • 横田 行史(北里大学医学部小児科)
  • 田中 敏章(国立成育医療センター臨床検査部)
  • 中村 秀文(国立成育医療センター治験管理室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 小児疾患臨床研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食生活習慣の西欧化に伴い、小児期発症2型糖尿病が急激に増加し若年化している。幸い我が国にでは学校の集団検尿の制度があり、糖尿病を早期に発見が可能である。しかし、早期発見された糖尿病児が適切な治療を受けずに、働き盛りの20から30歳代に重篤な糖尿病性合併症に陥ることが希でない。一方、治療に用いる経口血糖降下薬の小児適応がなく、治療指針の作成がままならないのが実状である。このような背景をくい止めるために、またより健全な小児の健康生活を確保するため、この研究班は組織され、研究が開始された。
研究方法
研究班は5つの分担研究班から成る。2004年度は班員と北里臨床薬理研究所の協力を得て、質の高い臨床試験のプロトコールの作成を行い、患者登録を開始した。
結果と考察
プロトコールの概要は以下のように決定した。1)対象症例:新規症例と既治療症例を合わせ50例。(1)臨床試験の選択基準。a. 新規症例の登録基準。 10歳以上20歳未満。肥満度:0%以上。 HbA1c:5.8%以上。b.既治療症例の登録基準。a) 投与開始前28日以内に治療が行われている症例。b) Met服用中の場合は1日投与量が750mg以下。2)試験方法:中央登録方式による多施設共同オープン試験。(1).投与量および投与方法。a)新規・既治療症例共。Met 750mgを12週間投与し(a)12週経過時点のHbA1cが6.4%以下の場合、Met 750mgをさらに12週間投与する。(b)12週経過時点のHbA1Cが6.5%以上の場合、Met 1500mgに増量し、さらに12週間投与する。3)評価項目:(1)主要評価項目。a) HbA1c値。(2)副次評価項目。a) 肥満度。b) ウエストサイズ(臍囲)。c) 血中グリコアルブミン。d) 空腹時血糖。e) 血清脂質。f)HbA1c。d) 安全性。試験終了後、統計解析者解析が行われ最終的な評価を行う。4)試験期間:平成16年7月?平成18年3月(最終エントリー:平成17年9月)。最終的に50例の予定。平成17年3月松浦信夫までに17例の症例が登録され、臨床試験が開始されている。この他の研究内容は割愛した。
結論
メトフォルミンによる質の高い臨床試験が開始され、現在17例の登録が終了した。50例に向け研究が継続される。

公開日・更新日

公開日
2005-05-10
更新日
-