若い女性の食生活はこのままで良いのか? 次世代の健康を考慮に入れた栄養学・予防医学的検討

文献情報

文献番号
200400421A
報告書区分
総括
研究課題名
若い女性の食生活はこのままで良いのか? 次世代の健康を考慮に入れた栄養学・予防医学的検討
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
吉池 信男(独立行政法人国立健康・栄養研究所(健康・栄養調査研究部))
研究分担者(所属機関)
  • 福岡 秀興(東京大学大学院医学系研究科(発達医学教室))
  • 豊田 長康(三重大学医学部(産婦人科学教室))
  • 加藤 則子(国立保健医療科学院(研修企画部))
  • 三浦 克之(金沢医科大学医学部(公衆衛生学教室))
  • 瀧本 秀美(独立行政法人国立健康・栄養研究所(国際栄養協力室))
  • 佐々木 敏(独立行政法人国立健康・栄養研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
母性としての役割を考えると、自発行動としての極端なダイエットを含め、「わが国の若い女性の食生活はこのままで良いのか?」という懸念が大きい。次世代の国民の健康を確保という観点から、栄養学的・疫学的・臨床的検討を行うことが本研究の目的である。
研究方法
過去の分娩台帳等をもとに、母体の身体状況、今回の妊娠・分娩の状況、生活習慣、出生児の状況等をデータベース化し、妊娠前・妊娠中の体重増加量等と出生体重・分娩転帰等との関連について解析した。病院・診療所を受診した妊婦を対象に、妊娠各時期と産褥1か月時点での栄養調査を開始した。妊娠時の指導として有用な評価法として体脂肪量測定やバイオマーカーを検討し、母体の非妊娠時の体位、体重増加、周産期予後等との関連を調べた。出生体重とその後の生活習慣病リスクとの関連の検討を目的に、石川県において昭和40-49年生まれの乳幼児検診受診者約14千人の検診データと、同地域の20歳検診受診者約8千人とのリンケ[ジにより得られた約5千人を対象とした20年間追跡データを解析し、さらに約15年後の追跡の準備を進めた。妊娠中の栄養状態に対応した体重管理・栄養指導に関する検討として、人口動態調査票から得られる情報を基に統計学的モデルによる解析を行った。サザンプトン大学 FOAD研究所長を招き、シンポジウムを開催した。
結果と考察
37~41週の単胎分娩約4千例の解析では、「やせ」群と「ふつう」群では、体重増加量が7kg未満の場合に低出生体重児割合が最も高かった。肥満群では低出生体重児割合に体重増加量区分による差は認められなかった。どの体重増加量区分においても、「肥満」群で帝切率が高かった。妊婦に対する縦断的観察研究では、妊婦の体位別エネルギー摂取量(妊娠初期・中期・末期)は、特に低体重者で1489・1673・1689kcalと低く、不十分な栄養摂取が出生体重低下の一因となっている可能性が考えられた。
結論
研究1年目であり成果はまだ限られているが、妊産婦のための食生活指針、妊娠期の至適体重増加チャートといった課題に対し、エビデンスとなるデータを提供する準備が整いつつある。Barker仮説を実証する疫学的データはわが国では極めて限られており、石川県での仮想コホート研究は、長期的視野から生活習慣病の予防対策を講ずる上での重要な根拠データを提供するものとなろう。

公開日・更新日

公開日
2005-06-16
更新日
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