アウトカムを指標としベンチマーク手法を用いた質の高いケアを提供する「周産期母子医療センターネットワーク」の構築に関する研究

文献情報

文献番号
200400420A
報告書区分
総括
研究課題名
アウトカムを指標としベンチマーク手法を用いた質の高いケアを提供する「周産期母子医療センターネットワーク」の構築に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
藤村 正哲(大阪府立母子保険総合医療センター病院)
研究分担者(所属機関)
  • 楠田 聡(東京女子医科大学周産母子医療センター)
  • 大野 勉(埼玉県立小児医療センター)
  • 上谷良行(兵庫県立こども病院)
  • 三科 潤(東京女子医科大学周産母子医療センター)
  • 田村正徳(埼玉医科大学総合医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国の中核的周産期医療施設における最新医療の標準化を行う。罹病率・死亡率・発達障害発症率・成長発達予後等をアウトカム指標とする。臨床研究計画と質の高いケアの達成をリンクする方法の開発を進める。長期予後改善に有効であるとされる治療法を取り上げ、エビデンス確立臨床研究を実施する。効果的なランダム化比較試験を実施する。
研究方法
(1)臨床研究参加施設の入院患者共通データベースを整備する。
(2)総合周産期母子医療センター、地域周産期母子医療センター等の中核的施設の多施設ランダム化比較試験の研究計画を策定し、臨床試験への参加を求める。
(3)ベンチマーク手法による施設別医療改善計画と、施設間治療の「標準化」を実施する。
(4)周産期医療のアウトカム指標として不可欠な発達予後を明らかにするため、NICU退院児のフォローアップ体制を整備する。
結果と考察
(1)多施設ランダム化比較試験のコーディネーションセンターとデータ安全モニタリング組織を整備した。試験のインターネット環境を整備した。38施設の参加を得られる目処が立った。(2)全国の極低出生体重児の約30%が登録されたデータベースが完成した。全国42の参加施設からデータを収集した。(3)低酸素性虚血性脳症に対する脳低温療法の多施設ランダム化試験のために、システム開発に取り組み、「脳低温療法オンライン登録システム」を完成させた。(4)総合周産期母子医療センタ全38施設におけるフォローアップ体制の実態調査を実施した。全38施設で、3歳の統一フォローアップ健診実施体制をつくる準備を行った(5)2000年出生の超低出生体重児の3歳時予後の全国調査を実施し集計を行った。(6)新生児心肺蘇生法は米国小児科学会による2006年に予定されている新版の翻訳権を獲得した。新生児心肺蘇生法講習会を実施し。NRP instructorを養成するために米国ハワイ州Kapiolani母子医療センターで主催するNRP講習会に26名が受講した。
結論
総合周産期母子医療センターが提供する医療の現状評価、成績評価、予後評価、臨床試験の実施の体制について整備を進めた。研究方法・計画の各段階において予定通りの進行が認められた。

公開日・更新日

公開日
2005-06-16
更新日
-