中学生と乳幼児の交流が相互の発達に与える効果に関する研究-保育者による次世代育成をめざした子育て支援プログラムの立案と実施-

文献情報

文献番号
200400412A
報告書区分
総括
研究課題名
中学生と乳幼児の交流が相互の発達に与える効果に関する研究-保育者による次世代育成をめざした子育て支援プログラムの立案と実施-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
七木田 敦(広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設)
研究分担者(所属機関)
  • 山崎 晃(広島大学大学院教育学研究科)
  • 安井 友康(北海道教育大学岩見沢校教育学部)
  • 水内 豊和(富山大学教育学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
1,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究ではその解決に向けた方策を、保育体験を将来の父親・母親となるための中学生の具体的な子育て支援の体験の場としてとらえ、次世代育成という観点から研究する。
研究方法
中学生の保育体験の実態について詳細に分析し、幼稚園保育所との連携関係を明らかにするために、東広島市内の全中学校10校と幼稚園保育所(40カ所)を対象に乳幼児とのふれ合い体験、保育体験の実施に関するアンケート調査を実施した。質問内容は、(1)保育体験の実施について、(2)連携の実際について、(3)中学校、保育所幼稚園相互に望まれること、そして(4)保育体験の意義について、を中心に全34項目である。アンケート調査の回収率は中学校100%、保育所幼稚園75%であった。
結果と考察
(1)保育体験の実施について
中学校では全校が、また保育所幼稚園では88%が保育体験を実施していた。未実施の保育所幼稚園では「連携の要請がないから」という回答であった。また中学校では、保育体験を平均2.875時間実施しているとする一方で、保育所幼稚園では平均6.54時間実施していると答えていた。また中学生段階からの保育体験の必要性については、中学校で100%、保育所幼稚園で93.1%であった。
(2)連携の実際について
 「保育体験」の事前協議について、その必要性は中学校、保育所幼稚園とも認めていたが、「事後協議」については中学校で60%、保育所幼稚園で15%程度しか認めていなかった保育所幼稚園では32%の保育者が「必要はない」と答えていた。これは両者の教育評価に対する考え方の違いによるものと考えられる。
(3)中学校、保育所幼稚園相互に望まれること
保育体験中、中学生の対応に「みていてハラハラするときがある」とする中学校教員は37.5%と少ない一方で、保育所幼稚園保育者は64.2%もがそう感じていた。また「何かと気をつかうことが多い」とする中学校は62.5%で、保育所幼稚園では62.9%もがそう感じていて、保育体験の相互の意識に違いがあることがわかった。
結論
 1)研究成果の学術的・社会的意義について
これまで地域の実情を反映した中学校と保育所幼稚園に関する連携について、本研究でなされたようなアンケート調査はほとんだなかった。この意味において、次年度のプログラム策定に資するという研究上の意義の他に、次世代育成をめざした子育て支援プログラムとして中学生の「保育体験」を実施する上での必要な要因と阻害する要因について明らかになったことは、今後「子育て支援」「次世代育成」を考える上で重要なことである。

公開日・更新日

公開日
2005-06-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-03
更新日
-