要保護年長児童の社会的自立支援に関する研究

文献情報

文献番号
200400411A
報告書区分
総括
研究課題名
要保護年長児童の社会的自立支援に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
村井 美紀(東京国際大学人間社会学部)
研究分担者(所属機関)
  • 松本 伊智朗(札幌学院大学)
  • 山田 勝美(長崎純心大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
2,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、最終的に自立援助ホームと地域小規模児童養護施設の援助内容を調査・研究することにあるが、自立援助ホームは長年無認可でその事業を展開してきており、その歴史や運営形態は多様である。今年度は、次年度の援助内容検討に先立ち、基礎研究として全国の自立援助ホームの設立・運営実態を把握し、来年度の研究の基礎データを収集することを目的とする。
研究方法
2004年度は「基礎研究」として各自立援助ホームの運営の実態を把握するための訪問ヒヤリング調査を行った。また、次年度平成16年度利用者実態との比較検討を行うために、平成10年度利用者調査の分析を行った。
結果と考察
●結果
①これまで活動してきた「自立援助ホーム」の確定作業を行い、32箇所を把握した。このうちすでに閉鎖されたところは3箇所、現在活動中だが次年度閉鎖予定のところが2箇所あった。実際にヒヤリング調査を実施できたのは、25箇所で、ヒヤリングできなかった4箇所である。
②ヒヤリング内容は❶自立援助ホーム運営の実態、(運営主体・運営費・定員数)❷関わっているスタッフの実態と意識(主たるスタッフの経歴・スタッフの待遇)を中心に行い、その結果を分析した。
●考察 自立援助ホームの増加は「多様化」を伴っている。運営主体も社会福祉法人・NPO法人、個人と多様である。ヒヤリング調査の結果からは、設立および運営にかかわっているスタッフは児童福祉施設職員やその関係者、里親経験者やさらにひきこもり・ニートなど現代の青少年の抱える問題に幅広く関わっているものへと、その裾野を広げていることがわかった。それだけ自立援助ホームの対象者も幅広くなっていることが予想される。自立援助ホームの運営上の困難は、運営費の貧困が大きい。その結果、スタッフの待遇の劣悪さ、定着率の低さ、人材確保の困難性を招いている。さらに、スタッフは自立援助ホーム運営の支援・協力者を得るための活動に多くの時間をさかれており、その負担は大きい。閉鎖した自立援助ホームに関しては今後更なる分析が必要である。
結論
(次年度の課題)自立援助ホームの運営実態が、利用者の処遇にさまざまなバイアスを生じさせることが予測される。自立支援方法や内容に対象となる利用者や自立支援の内容を分析するにあたり、自立援助ホームの設立経過と歴史、関係機関との関係性を加味しながら分析枠組みを作成する必要性を確認した。

公開日・更新日

公開日
2008-04-11
更新日
-