生殖補助医療の安全管理および心理的支援を含む統合的運用システムに関する研究

文献情報

文献番号
200400397A
報告書区分
総括
研究課題名
生殖補助医療の安全管理および心理的支援を含む統合的運用システムに関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
吉村 泰典(慶應義塾大学医学部産婦人科学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 久保 春海(東邦大学医学部産婦人科第一産婦人科)
  • 石原 理(埼玉医科大学産婦人科)
  • 齊藤 英和(国立成育医療センター周産期不妊診療科)
  • 苛原 稔(徳島大学医学部産科婦人科)
  • 柳田 薫(国際医療福祉大学臨床医学研究センター)
  • 緒方 勤(国立成育医療センター研究部・小児思春期発達研究部)
  • 久慈 直昭(慶應義塾大学医学部産婦人科学教室)
  • 朝倉 寛之(財団法人田附興風会医学研究所・第3研究部)
  • 森岡 由起子(山形大学医学部看護学科)
  • 宮島 清(埼玉県所沢児童相談所ソーシャルワーク虐待対応担当)
  • 岩崎 美枝子(社団法人家庭養護促進協会大阪事務所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国の生殖補助医療技術の、1)安全性を確保し、2)(配偶子提供を含む)新技術を導入し、3)クライアントへの情報提供・精神的支援の実施をおこなうための指針作成を目標として資料収集を試みた。
研究方法
第一に生殖補助技術の品質管理について、わが国の生殖補助医療実施施設へアンケート調査(設備機器、人的資源、消耗品使用等)を行い、また安全性を担保するため一卵性双胎を例にとった出生児の予後調査と、Kallmann症候群を例にとった本技術の遺伝学的安全性を検討した。
第二に配偶子提供を含めた生殖補助医療におけるカウンセリング供給体制について体系構築を試みるとともに、特に配偶子提供における出自を知る権利の取り扱いについて、非配偶者間人工授精のため精子提供を行った男性にアンケート調査を行い、さらにこれに関して2005年に法改正を行った英国を含む海外の実情調査を行った。
結果と考察
第一に生殖補助医療の品質管理について、学会が推奨している設備を完全に備える機関は16.7%のみであり、設置の有無が妊娠率と相関する特定の設備もみられたが、実施件数が比較的少ない施設であっても良好な妊娠率が得られていた。生殖補助医療の安全性確認については、学会集計のみでは妊娠後経過不明な症例が多く、また単一遺伝子疾患Kallmann症候群で生殖補助技術による不妊形質伝播がみられた。第二に本技術のクライアントへの情報提供・心理的支援を行うには階層的で資格審査を含む体制構築が必要であり、とくに配偶子提供では、子どもとそれをはぐくむ親の両者を考慮した支援体制が必要である。また出自を知る権利に関して、現在の我が国の精子提供者は子どもの感情を理解しながらも、それを現実に認めることには否定的である。提供から権利の発効までの15年という長期間に起こる提供者自身の状況変化も考慮して慎重な対応が必要であり、配偶子提供の匿名化廃止を2005年度に実施する英国で起きている状況を詳細に検討する必要がある。
結論
生殖補助医療の安全性確保のためには実施機関に対する実効的なガイドライン作成が必要であり、また出生児のfollow up体系の確立が急務である。今後配偶子提供を前提としたカウンセリング体制構築が必要であるが、出自を知る権利については海外の情報を含め慎重な対応が必要である。

公開日・更新日

公開日
2005-06-16
更新日
-