文献情報
文献番号
200400396A
報告書区分
総括
研究課題名
妊娠・出産の快適性確保のための諸問題の研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 武夫(聖マリア病院母子総合医療センター)
研究分担者(所属機関)
- 朝倉 啓文(日本医科大学第2病院産婦人科教室)
- 岡本喜代子(日本助産師会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
3,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
健やか親子21・課題2「妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援」を推進し、そのあり方を検討するために日本産婦人科医会、日本助産師会、日本母乳の会が分担研究を行った。妊娠・出産の安全性を確保しつつ、産褥期を通して母子の心身の健康をプロモートするための周産期ケアのあり方を提言するために、現状の分析と連携について調査研究をし、妊娠・出産の安全性と快適さの確保を矛盾無く行える基盤について検討する。
研究方法
総括論議として幹事会・全体会の議事録を提示する。日本産婦人科医会は快適性について産科医へのアンケート調査をした。日本助産師会は産婦人科医と助産師との連携の実態、新しい分娩環境(院内助産所、助産師外来、受け持ち制等の10施設)の聞取り調査をした。日本母乳の会はWHO・ユニセフの「赤ちゃんにやさしい病院(BFH)」認定22カ所の母親の満足度、PDS、対児感情評定尺度を1カ月健診時に調査した。
結果と考察
幹事会の議論の中では妊娠・出産は安全性と快適さは両立させる矛盾しない課題であり、妊娠、分娩の両側面として捉えていくこと、母子同室・母乳育児まで含めた女性の心身の変化を全体的に捉え、支援していくという点が確認された。
日本産婦人科医会の調査対象は778人、回収率は63.2%である。夫立会い分娩、カンガルーケア、母子同室、母乳栄養は殆どの施設で行われているが、母子の絆、母性、父性の形成過程における効果や意義は模索中である。快適性確保に努力しているが、快適性の意義が十分、理解、把握されていない現況も明らかになった。日本助産師会は病院、診療所、助産所間でのネットワーク構築を目指し、嘱託医及び嘱託医療機関と助産所の間の契約書作りを行った。日本母乳の会の調査ではBFHでの母乳育児率は95%以上、1カ月でも85%以上で、育児への自信も見られた。出産で母乳育児、母子同室について満足度が高かった。
日本産婦人科医会の調査対象は778人、回収率は63.2%である。夫立会い分娩、カンガルーケア、母子同室、母乳栄養は殆どの施設で行われているが、母子の絆、母性、父性の形成過程における効果や意義は模索中である。快適性確保に努力しているが、快適性の意義が十分、理解、把握されていない現況も明らかになった。日本助産師会は病院、診療所、助産所間でのネットワーク構築を目指し、嘱託医及び嘱託医療機関と助産所の間の契約書作りを行った。日本母乳の会の調査ではBFHでの母乳育児率は95%以上、1カ月でも85%以上で、育児への自信も見られた。出産で母乳育児、母子同室について満足度が高かった。
結論
快適性は心のアメニティ、つまり母親の達成感を保障し、育児力の土台を作る、エンパワーメントという概念を含み、これらを具体化し普及する手段としてバースプランのきめ細かな運用が提起された。それにより安全性、快適性の確保につながると位置づけられた。妊娠、出産、授乳の支援のためには医師と助産師のより良い連携を施設の内外を問わず、展開する必要がある。本研究の成果は母親たちが安心し、快適に妊娠、出産、授乳期間を過ごすとはどういうことかを提示できた。医療者が医療の側面だけではなく、幅広い受益者ニーズに応える周産期医療・ケアの仕組みを構築する際の材料になりうると考えられた。
公開日・更新日
公開日
2005-12-22
更新日
-