文献情報
文献番号
200400391A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性神経芽腫の克服に向けたトランスレーショナルリサーチの基盤づくりと臨床研究ネットワークの構築
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
中川原 章(千葉県がんセンター研究局)
研究分担者(所属機関)
- 秦 順一(国立成育医療センター研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
近年、小児がんの治療成績は著しく向上したにもかかわらず、進行神経芽腫の長期生存率は小児がんの中でも最も低く、未だ30%に満たないのが現状である。したがって、進行した難治性神経芽腫に対する抜本的な対策が緊急に必要とされている。そこで、これらを解決するために、1)正確な診断と新たな予後予測法を開発するための中央病理診断および中央組織バンクの確立、2)基礎と臨床を結ぶ全国横断的トランスレーショナルリサーチの推進、3)基礎研究者間の連携強化と臨床グループスタディとの緊密な連携の構築、を目的とした。
研究方法
神経芽腫臨床検体については、MYCNがん遺伝子の増幅、TrkA遺伝子発現、DNA核型、血漿Midkine値の定量を行った。また、残存組織の保存システムを確立した。さらに、神経芽腫の新しい診断システムとして、独自に開発した神経芽腫実用化in-house DNAチップの応用を試みた。神経芽腫中央病理診断に関しては、国立成育医療センター研究所内にその本部を置くこととし、システムの基盤作りを行った。
結果と考察
千葉県がんセンター研究所の「神経芽腫組織バンク」に保存された検体数は2000例に達し、倫理的な問題もクリアした世界最大級の組織バンクを完成させた。また、国立成育医療センター研究所内に、神経芽腫病理診断の国際基準となるInternational Neuroblastoma Pathology Committee (INPC) 分類に基づくセントラルレビューシステムを確立した。これは、上記の検体センターとともに、近く設立される全国統一神経芽腫グループスタディの要になるものと期待される。さらに、世界的にも初めての、独自に開発した「神経芽腫予後予測用実用化ミニDNAチップ」の臨床応用試験を28例の新規症例に対して行い、良好な結果を得た。ハイリスク神経芽腫に対する治療プロトコールの決定に役立つ重要な予後予測因子となり得ることが示唆された。
結論
本研究の成果は、我が国における神経芽腫臨床研究を国際的なレベルあるいはそれ以上のものにするために必須のものであり、現在、その立ち上げ作業が進められている全国統一神経芽腫グループスタディの実質的な基盤となるものである。我が国における神経芽腫トランスレーショナルリサーチの基盤確立と難治性神経芽腫の克服に貢献するものと期待される。
公開日・更新日
公開日
2005-07-11
更新日
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