多施設共同ランダム化比較試験による早産予防の為の妊婦管理ガイドラインの作成

文献情報

文献番号
200400384A
報告書区分
総括
研究課題名
多施設共同ランダム化比較試験による早産予防の為の妊婦管理ガイドラインの作成
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
岡井 崇(昭和大学病院(産婦人科))
研究分担者(所属機関)
  • 岩下 光利(杏林大学医学部(産婦人科))
  • 杉本 充弘(日本赤十字社医療センター(産婦人科))
  • 上妻 志郎(東京大学医学部(産婦人科))
  • 名取 道也(国立成育医療センター(産婦人科))
  • 中林 正雄(総合母子保健センター愛育病院(産婦人科))
  • 多田 裕(東邦大学医学部(新生児科))
  • 仁志田 博司(東京女子医科大学母子総合医療センター(新生児科))
  • 木内 貴弘(東京大学医学部付属病院大学病院医療情報ネットワーク研究センター)
  • 金山 尚裕(浜松医科大学(産婦人科))
  • 斉藤 滋(富山医科薬科大学医学部(産婦人科))
  • 山本 樹生(日本大学医学部(産婦人科))
  • 竹下 俊行(日本医科大学(産婦人科))
  • 井坂 恵一(東京医科大学(産婦人科))
  • 朝倉 啓文(日本医科大学第二病院(産婦人科))
  • 田中 政信(東邦大学医学部(産婦人科))
  • 吉田 幸洋(順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院(産婦人科))
  • 松田 義雄(東京女子医科大学母子総合医療センター(産婦人科))
  • 篠塚 憲男(帝京大学医学部(産婦人科))
  • 大浦 訓章(東京慈恵会医科大学(産婦人科))
  • 竹内 正人(日本赤十字社葛飾赤十字産院(産婦人科))
  • 田中 守(慶應義塾大学医学部(産婦人科))
  • 寺内 公一(東京医科歯科大学医学部(産婦人科))
  • 中村 靖(順天堂大学医学部(産婦人科))
  • 中井 章人(日本医科大学附属多摩永山病院(産婦人科))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
目的は、日本で可能なスクリーニング法として、経腟超音波法による頸管長の計測を全症例で行い、不顕性感染のチェックに基づいて妊婦管理を行うことで実際に早産を減少させ得るか否かを調査することである。具体的には、頸管長の短縮例に頸管縫縮術が有効か、及び、不顕性感染陽性例にUTIが有効かを多施設共同のランダム化比較試験で検証する。研究の成果を基に「早産予防の為の妊婦管理ガイドライン」を作成し、日本の早産率、特に早期早産率の実質的低下を実現する事を最終目標とする。成果として、妊婦の生活指導に関する厚生行政の指針ともなり、早産による周産期死亡や心身障害児の数を減少させるだけでなく、現状のNICUの施設不足及び専門医師不足の根本的解決にもつながる。
研究方法
Study Groupでは全ての症例に、妊娠16週0日から25週6日までの妊婦検診で毎回経腟超音波による頸管長計測を行う。頸管長計測値が20mm以下の症例を入院管理とし、入院後、不顕性感染の有無によりまず2群に分ける。不顕性感染のある群はUTI投与群とプラセボ投与群の2群に分ける(ダブル・ブラインド)。不顕性感染の無い群は、AからCの3群に振り分ける。A群:マクドナルド式頸管縫縮術施行。B群:シロッカー式頸管縫縮術施行。C群:安静療法群(頸管縫縮術非施行群)。分娩予後、新生児予後について検討を行う。症例の登録・割付には全てコンピューター化によるランダマイゼイションを行う。研究開始にあたっては各参加施設毎に倫理委員会の承諾を得、その上で各患者さんから書面にて同意を得る。インターネットを用いて当研究専用のホームページから症例の登録と割付を行うが、個人情報の漏出に留意する。
結果と考察
今年度後半に漸く実質的な症例の蓄積が始まった。具体的に今年度は、以下の4点(1.研究プロトコールの作成、2.研究実施体制の確立、3.協力施設・都内産婦人科医師への啓発、4.各施設倫理委員会の承認の取得、5.研究協力を促すビデオ及びパンフレットの作成、6.研究の開始(症例登録の開始))について成果を挙げた
結論
以上、今年度の成果としては、周産期領域では日本で初めての医師主導の他施設共同臨床研究を開始することができた。今後は症例の蓄積と中間解析に重点を置く予定である。本年度、漸く研究が始動し症例の登録が始まり、軌道に乗り始めた。今後、研究参加施設を全国レベルとして、症例の増加を図り、早い段階で有意義な成果を出したい。監査を随時行い、さらには高度なデータマネジメントを行い、質の高いエビデンスに基づいたガイドラインの作成を目指す。

公開日・更新日

公開日
2005-06-17
更新日
-