文献情報
文献番号
200400379A
報告書区分
総括
研究課題名
女性の各ライフステージに応じた健康支援システムの確立に向けた総合的研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
寺川 直樹(鳥取大学医学部産科婦人科学教室)
研究分担者(所属機関)
- 武谷 雄二(東京大学医学部産科婦人科学)
- 星合 昊(近畿大学医学部産科婦人科学)
- 水沼 英樹(弘前大学医学部産科婦人科学)
- 苛原 稔(徳島大学医学部産科婦人科学)
- 小林 廉毅(東京大学医学部公衆衛生学)
- 林 邦彦(群馬大学医学部医療基礎学)
- 高橋 真理(北里大学看護学部看護学)
- 笠原 悦夫(JR東日本健康推進センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成15年度の本研究において、一般健常女性を対象とした調査研究では、女性の訴える自覚症状はライフステージに応じて変化するが、月経痛、月経過多および月経不順などの月経関連症状の頻度が高かった。大学病院では紹介患者やセカンドオピニオンを求めて受診する患者の率は高く、症状としては月経困難症と月経過多症の頻度が高かった。
研究方法
平成16年度は,月経関連症状を訴えて医院、200床未満の病院、200床以上の病院あるいは大学病院の各医療機関を初診した女性を対象にアンケート調査を行った。患者の満足度と治療に至るまでの医療機関の受診状況に関する調査は,大学病院で子宮内膜症と子宮筋腫の手術を受けた患者を対象として行った.
結果と考察
月経関連症状を訴えて初診した1716名より解析可能な回答が得られた。今回のアンケート調査をもとに1年間の推定受療患者数を算出した結果、月経痛は895,631人、月経過多は429,414人、月経不順は1,327,261人となった。月経痛を主訴とした場合、46%が機能性月経困難症、15%が子宮内膜症、13%が子宮腺筋症または子宮筋腫と診断された。月経過多を主訴としたうちの47%が子宮筋腫、19%が子宮腺筋症と診断された。月経不順では69%が卵巣機能不全と診断された。年代別の検討では、月経痛を主訴に子宮内膜症と診断される頻度は30歳代で最も高く、一方、50歳以上はなかった。月経過多から子宮筋腫と診断される頻度は年代ごとに増加した。月経不順から卵巣機能不全と診断される頻度は10歳代で最も高かった。
平成15年度の調査結果をもとに,一般女性が月経関連の自覚症状を訴えてすべて医療機関を受診したと仮定した場合,月経痛を訴える女性の9.1%が子宮内膜症と,過多月経の9.3%が子宮筋腫と,月経不順の19.4%が卵巣機能不全と診断されることが推定された.
患者満足度の調査対象(178例)の7割以上が2カ所以上の医療機関を受診していた.そのうちの半数以上は自身が希望して当該施設を受診しており,他院からの紹介を上回った.したがって,患者側の精神的な満足度を高めるためには“セカンドオピニオン”のニーズが高いことが伺われ,これに応えられるような医療システムの構築が必要と考えられた.
平成15年度の調査結果をもとに,一般女性が月経関連の自覚症状を訴えてすべて医療機関を受診したと仮定した場合,月経痛を訴える女性の9.1%が子宮内膜症と,過多月経の9.3%が子宮筋腫と,月経不順の19.4%が卵巣機能不全と診断されることが推定された.
患者満足度の調査対象(178例)の7割以上が2カ所以上の医療機関を受診していた.そのうちの半数以上は自身が希望して当該施設を受診しており,他院からの紹介を上回った.したがって,患者側の精神的な満足度を高めるためには“セカンドオピニオン”のニーズが高いことが伺われ,これに応えられるような医療システムの構築が必要と考えられた.
結論
月経関連症状の原因疾患とその頻度、検査および治療の現状、病診連携と患者の受療動向と患者満足度の現状が示された。
公開日・更新日
公開日
2005-06-16
更新日
-