児童虐待防止に効果的な地域セーフティーネットのあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200400375A
報告書区分
総括
研究課題名
児童虐待防止に効果的な地域セーフティーネットのあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 重宏(日本子ども家庭総合研究所子ども家庭福祉研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 才村 純(日本子ども家庭総合研究所子ども家庭福祉研究部)
  • 中谷 茂一(聖学院大学人文学部)
  • 澁谷 昌史(日本子ども家庭総合研究所子ども家庭福祉研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
5,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2005年4月より、市町村が児童相談を一義的に担うこととなり、さらに法的対応の強化などが行われるなど大きな変革が行われた。本研究は子どもと親のウェルビーイングを促進するために、児童虐待防止に効果的な地域セーフティーネットワークのあり方を提示することを目的とする。本研究は、虐待傾向にある家族及びその家族支援の実態把握を手がかりとして、とくに児童相談所と市町村の役割分担とこれまで実践の中で蓄積されてきたノウハウを集約することを目的とした。
研究方法
1. 「市町村へのヒアリング調査」(分担研究者:才村純)では、これからの児童相談体制のモデルと思われる市町村と、加えて児童相談所にヒアリング調査を行った。
2. 「家族支援プログラムに関する調査」(分担研究者:澁谷昌史、中谷茂一)では、児童相談所で実際に行われているサーヴィスについてエキスパートへのヒアリング調査を行い、リスクアセスメントとその後の対応について調査を行い、援助の進め方や留意点についてまとめた。
結果と考察
 相談援助における市町村と都道府県(児童相談所)との役割分担では、以下のことが重要であった。1.市町村職員の自覚、2.児童相談所のビジョンと指導力、3.心理職の重要性、4.子育て支援やネグレクト等の長期に対応するケースは市町村が適任、5.児童相談所が判定し、サービスは市町村が行なうケースもあってもよいこと。 
要保護児童対策地域協議会には、次のようなことが求められる。1.通告・相談窓口の一元化、総括的ケースマネジメントなどの観点から事務局は市町村に置くこと、2.できれば四層のネットワーク(代表者会議、定例実務者会議、臨時実務者会議、児童家庭相談援助担当者庁内会議)、3.概ね5万人以上の自治体では虐待防止ネットワークと子育て支援ネットワークを並存、概ね5万人以下の自治体では、虐待防止ネットワークを子育て支援ネットワークの中に位置づけた方が効率的。
 エキスパートへのヒアリング調査では,エキスパートの対応が,これまでの経験や失敗,苦労から体験的に得られ、体系付けられている。1つ1つのポイントに裏付けや理由があり外せない。報告書では、体験の共有しやすさを考え、ポイントだけでなく,裏付けや理由まで併せて示した。
結論
「結果と考察」に含む

公開日・更新日

公開日
2005-06-17
更新日
-

文献情報

文献番号
200400375B
報告書区分
総合
研究課題名
児童虐待防止に効果的な地域セーフティーネットのあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 重宏(日本子ども家庭総合研究所子ども家庭福祉研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 才村 純(日本子ども家庭総合研究所子ども家庭福祉研究部)
  • 中谷 茂一(聖学院大学人文学部)
  • 澁谷 昌史(日本子ども家庭総合研究所子ども家庭福祉研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
子どもと親のウェルビーイングを促進するために、これまで児童相談所が蓄積している被虐待児童の家族特性や、家族支援プログラムの現状、児童相談所と市町村や民間団体との連携の現状を把握し、総合的な子ども家庭サービスの実施体制のあり方を明らかにすることで、児童虐待防止に効果的な地域セーフティネットのあり方を提示することを目的としている。
研究方法
平成15年度
「児童相談所が対応する虐待家族の特性分析」(分担研究者・中谷茂一、澁谷昌史)アンケート調査
「児童相談所の海外と動向も含めた実施体制のあり方の検討」(分担研究者・才村純)6カ国の日本の児童相談所に相当する機関を比較
平成16年度
「市町村における子ども家庭サービス実施体制のあり方に関する研究」(分担研究者:才村純)ヒアリング調査
「児童相談所における虐待家族への対応及び支援プログラムに関する研究」(分担研究者:澁谷昌史、中谷茂一)エキスパートへのヒアリング調査
結果と考察
 2004年児童福祉法改正では、市町村が児童相談の一義的な窓口になったこと、児童相談所がそのバックアップや専門的助言を行うという図式が描かれた。市町村から児童福祉施設への相談委託や保健と福祉の連携による第一次予防体制など、法施行直前に先進市町村の事例をまとめ、整理できたこと、さらに児童相談所と市町村の役割分担について考察を得たことの意義は大きい。平成15年度に実施した国際比較研究も踏まえ、具体的なサービス実施体制を提起できたものと考える。
 児童相談所が対応する虐待家族の特性を踏まえた家族支援プログラムに関する研究では、援助のそれぞれの局面について、援助のポイントを整理できたことは大きい。とくに、虐待ケースへの対応手順の違う、いくつかの都道府県でのヒアリングをまとめたことから、対応手順の違いに左右されない援助の重要なポイントが抽出された。調査協力者をエキスパートに絞っていることから、本調査研究で明らかになったポイントを理解・実行できる児童福祉司の養成・任用などを考える素材を提示することができた。
結論
結果と考察に含む

公開日・更新日

公開日
2005-07-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-03
更新日
-