保健師による母子保健活動における児童虐待リスクアセスメントツールの開発

文献情報

文献番号
200400374A
報告書区分
総括
研究課題名
保健師による母子保健活動における児童虐待リスクアセスメントツールの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
松田 宣子(神戸大学(医学部))
研究分担者(所属機関)
  • 奥田 博子(国立保健医療科学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
1,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 保健師による母子保健活動における児童虐待リスク及び介入を明らかにできるアセスメントツ ールを開発することである。
研究方法
 研究計画は4段階にわたって行っており、本年度は第3段階と第4段階である。
 第3段階:児童虐待リスク・介入アセスメントの実態把握のために平成15年度の第1段階及び第2段階での結果を踏まえて作成した調査票を用いて、全国の児童虐待に関わる保健師に対して無作為抽出で郵送にて調査を実施する。
 第4段階:今までの研究結果から作成した児童虐待リスク・介入アセスメントツールを兵庫県下保健所、市町村の保健師活動に使用し、ツールの信頼性・妥当性を検討する。
結果と考察
(結果)第3段階:有効回答数は586名であった。児童虐待のアセスメントツールの使用は、33.6%であり、支援対象は、乳児42%、1歳代13%であった。リスクの判断根拠は、児側は子どもの情緒・行動面の問題、発育の遅れ、表情の乏しさであり、親側は児との関わりの様子、孤立などであった。調査票の中に設定した児童虐待リスク・介入アセスメント項目については、90%以上が必要と述べ、ツールの妥当性が得られた。
   第4段階:現在調査中である。
(考察)児童虐待予防や支援に関わる第一戦機関にいる保健師のリスク・介入アセスメントの根拠を含めた実態とケースの背景要因が明らかになった。本ツールを用いることで児童虐待の軽いあるいは早期の段階で発見し、支援していくことができると考える。
結論
 開発した児童虐待リスク・介入アセスメントツールは、全国調査の結果から保健師の90%以上が必要と述べており、ツールの信頼性・妥当性が得られた。
 児童虐待リスク・介入アセスメントツールの項目は、年齢、背景要因、重症度判定、子ども側の要因、親側の要因である。

公開日・更新日

公開日
2005-06-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-

文献情報

文献番号
200400374B
報告書区分
総合
研究課題名
保健師による母子保健活動における児童虐待リスクアセスメントツールの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
松田 宣子(神戸大学(医学部))
研究分担者(所属機関)
  • 奥田 博子(国立保健医療科学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
保健師による母子保健活動における児童虐待リスク及び介入を明らかにできるアセスメントツールを開発することである。
研究方法
研究は4段階にわたって行った。平成15年度に第1及び第2段階、平成16年度に第3及び第4段階に実施した。
第1段階;国内外の文献から児童虐待・介入アセスメントツールの枠組みを検討する。
第2段階:兵庫県下保健所あるいは市町保健センターで実際に児童虐待ケースを支援している保健師に半構成的面接を行う。
第3段階:全国の保健所、市町で児童虐待を支援したあるいは支援している保健師に実態調査と作成した児童リスク・介入アセスメント項目への妥当性を得る調査を行う。
第4段階:開発した児童虐待・介入アセスメントツール試案を用いて、保健師活動に用いて評価する。
結果と考察
研究の1~3段階を踏まえて児童虐待・介入アセスメントツール試案を作成できた。アセスメント項目として、児の年齢、重症度判定、背景要因、健診時や訪問時など母子保健活動の中でみる子ども側の要因、親側の要因など組み込んでいる。現在実際の母子保健活動の中で使用しはじめており、その結果を分析中である。やはり保健師に有用な児童虐待・介入アセスメントツールはリスクの発見や重症度判定だけでなく、早期発見により予防や軽減できる介入につながるアセスメントが重要である。
結論
開発した児童虐待・介入アセスメントツールは、従来のリスクや重症度に焦点をあてたツールでなく、軽度であろうと疑いであろうと早期発見とともに、要因の発見などにより介入を検討でき、虐待予防や軽減につながるツールであると考える。実際の使用の事例は少ないので今後事例数を増やし、信頼性・妥当性を高め、精度をあげていきたい。

公開日・更新日

公開日
2005-06-16
更新日
-