文献情報
文献番号
200400363A
報告書区分
総括
研究課題名
子育て時における両親の相談ニーズ把握及び保健医療福祉スタッフ支援モデル研究事業
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
日暮 眞(東京家政大学児童学科小児医学研究室)
研究分担者(所属機関)
- 多田 裕(東邦大学医学部新生児学教室)
- 五十嵐 隆(東京大学大学院医学系研究科小児医学講座)
- 保科 清(東京逓信病院小児科(日本小児科医会理事))
- 古井 祐司(特定非営利活動法人メディカル・ブリッジ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
小児科医へのアンケート調査などを実施し、相談への対応状況や問題点・課題などの把握を定量的に行い、1・2年度行った調査研究の結果を踏まえて、小児関連スタッフの今後の相談対応のあり方及び支援策の具体的検討を行うことを目的とした。
研究方法
(1)主任・分担研究者・研究協力者からなる委員会を設置。(2)小児科医などの具体的支援策を検討するために、日本外来小児科学会会員に対して、相談対応の現状や問題点などに関するアンケート調査を実施。(3)これまでの研究結果に基づき、小児科の現場で実施されている子育て時の両親の相談などへの対応における問題点・課題などを整理。(4)研究結果を踏まえて、小児関連スタッフへの具体的支援策を検討。(5)研究結果を踏まえて、両親への意識啓発・教育の具体策を検討。
結果と考察
(1)子どもの発育や子育て全般に関する相談に、小児科医などが対応している状況が示された。子育て全般に関する相談は診療の際に受ける場合が最も多く、電話で相談するケースは低かった。対応は必要に応じてコ・メディカルを活用したり、施設外の関連機関への紹介を行っている場合が6割。相談を受ける上での困難点は、時間、コ・メディカルや事務職員の体制、紹介先機関の把握、コ・メディカルや事務職員の教育。「ご両親の医療に対する正しい理解がないために無駄なやり取りが生じている」(20.2%)も挙げられ、両親向けへの啓発も重要な課題として整理。また、小児科医は治療だけではなく、「必要に応じて行政・NPOなど関連機関を紹介、活用するなど、小児科医がコーディネートして各種相談に対応していく」(43.7%)、「子育て全般の相談を含め、小児科医自身が出来る限り相談に応じていく」(42.0%)など積極的な子育て支援を示唆する回答が挙がった。なお、日本外来小児科学会の会員は比較的子育て支援などに関して意識が高いことを考慮して結果を捉える必要がある。(2)「小児科スタッフの子育て支援に向けて~スタッフ向けマニュアル(見本)~」を作成。今後は、活用してもらいながら改善を図っていくことが重要。また、小児関連施設における対応体制の検討やスタッフの的確な相談対応も重要ではある一方で、両親向けの意識啓発・教育も重要。今回検討した両親向けマニュアルも活用・改善し、啓発効果の検証も今後の課題と考えられる。
結論
小児関連スタッフが両親などからの相談に応じていくための課題を整理した上で、スタッフへの具体的支援策を検討しマニュアルなどを作成した。
公開日・更新日
公開日
2005-07-06
更新日
-