文献情報
文献番号
200400346A
報告書区分
総括
研究課題名
骨折リスク予測のための次世代型骨強度評価システムの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
伊東 昌子(長崎大学医学部・歯学部附属病院(放射線部))
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 痴呆・骨折臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
骨密度に依存せず骨質に基づく臨床用骨折リスク評価法として、脊椎三次元データの骨梁構造解析と同データより有限要素解析によって骨強度を直接に計測するシステムを構築する。
研究方法
1. 骨梁構造解析法の基礎実験として臨床用CTにてヒト脊椎をスキャンし、骨梁構造を可視化し、そのDICOMデータをもとに骨梁構造解析をおこなう方法を確立する。撮像条件は、摘出椎体を用いてマイクロCTデータに最も近似する条件を選んだ。
2. 上記システムの有用性を確認する。閉経後女性の有骨折群、非骨折群で骨梁構造パラメターより骨折の検出感度をオッズ比として算出し、骨密度測定DXAと比較した。
3. 臨床用CTを用いて手術標本(ヒト大腿骨近位部)の三次元画像を得て、そのデータより骨梁構造解析、有限要素解析を行い骨圧壊状態のシミュレーションを行う。
4. 同標本を用いて、圧縮強度試験を行い、荷重変位曲線および骨力学特性を得る。同時に圧縮強度試験時にマイクロCT撮影を行って、その骨圧壊状態を前述のシミュレーションと対比する。
2. 上記システムの有用性を確認する。閉経後女性の有骨折群、非骨折群で骨梁構造パラメターより骨折の検出感度をオッズ比として算出し、骨密度測定DXAと比較した。
3. 臨床用CTを用いて手術標本(ヒト大腿骨近位部)の三次元画像を得て、そのデータより骨梁構造解析、有限要素解析を行い骨圧壊状態のシミュレーションを行う。
4. 同標本を用いて、圧縮強度試験を行い、荷重変位曲線および骨力学特性を得る。同時に圧縮強度試験時にマイクロCT撮影を行って、その骨圧壊状態を前述のシミュレーションと対比する。
結果と考察
1. 臨床用CT(多列検出器CT=multi-detector row CT(MDCT))により、ヒト脊椎海綿骨の三次元骨梁構造を、高解像度で可視化することができた。その三次元データより骨梁構造パラメターを算出した。
2. 上記システムで得られた骨梁構造パラメターは、閉経後女性における脊椎圧迫骨折の存在と有意の相関を認めた。その骨折予知能は、臨床用骨密度測定法DXA以上の感度を示した。
3. 大腿骨近位部手術標本を用いてCTデータ収集、構造解析、有限要素解析、強度試験の一連の実験を試行する手法を確立した。
4. MFを骨梁構造解析に適用し、本研究の基盤となり得ることを確認した。
5. 骨梁標本を用いた静圧縮試験(実証試験)を実施し、荷重を受けた骨梁の特性、挙動を把握した。
6. MFによる構造解析シミュレーションと実証試験とを対比させ、MFが骨強度評価システムの原型となり得ることを確認した。
2. 上記システムで得られた骨梁構造パラメターは、閉経後女性における脊椎圧迫骨折の存在と有意の相関を認めた。その骨折予知能は、臨床用骨密度測定法DXA以上の感度を示した。
3. 大腿骨近位部手術標本を用いてCTデータ収集、構造解析、有限要素解析、強度試験の一連の実験を試行する手法を確立した。
4. MFを骨梁構造解析に適用し、本研究の基盤となり得ることを確認した。
5. 骨梁標本を用いた静圧縮試験(実証試験)を実施し、荷重を受けた骨梁の特性、挙動を把握した。
6. MFによる構造解析シミュレーションと実証試験とを対比させ、MFが骨強度評価システムの原型となり得ることを確認した。
結論
臨床用CTによる骨梁構造解析システムを構築した。本法で求めた構造パラメターは、骨折リスク評価に有用であることを確認した。骨強度評価システムの基礎データ収集のための、シミュレーションならびに実証実験の手法を確立した。
公開日・更新日
公開日
2005-04-13
更新日
-