高齢者の社会参加に関連する要因の解明と支援システム構築に関する研究

文献情報

文献番号
200400333A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者の社会参加に関連する要因の解明と支援システム構築に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
長田 久雄(桜美林大学大学院 国際学研究科 老年学専攻)
研究分担者(所属機関)
  • 高田 和子(独立行政法人国立健康・栄養研究所 健康増進研究部)
  • 西下 彰俊(東京経済大学 現代法学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
5,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢者の社会活動参加を促進するためのシステムを提案するため、社会活動参加に関連する要因の解明と支援システム構築の方途を明らかにすることを目的とした。3年度目の研究の目的は1.社会活動参加に関連する要因(妨害・促進要因を含む)を包括的に検討する。2.社会活動参加の変化に関連する要因を明らかにする。3.幸福感の変化に影響を及ぼす諸要因を解明する。4. 社会活動の参加状況の変化が高齢者のQOLに与える影響を検討する。5. 行政から支援システムの情報収集を行い、支援システム構築の資料を得ることである。
研究方法
協力者は、1年度目(平成14年度)の調査で回答を得られた東京都A区在住の60歳以上高齢者1,912人、1年度目と2年度目(平成15年度)の調査の両方に回答を得られた1,360人、そして3年度目(平成16年度:本年度)の調査の24市町村行政担当者であった。本年度は、各市町村に対し自由回答式調査票を送付し、回答を求めると同時にインタビュー調査の依頼を行った。調査票の回答が得られたのは23の市町村であり、回答率は95.8%であった。また、インタビュー調査に協力が得られた12の市町村(50%)においては行政担当者に対し、個別面接あるいは集団面接を実施した。調査内容は社会参加への行政の取組み、行政からみた問題点(妨害要因)、支援システムに関する意見などであった。
結果と考察
高齢者の社会活動参加は高齢者自身の健康状態の他に、環境や社会的状況の影響を受けることが明らかになった。また、高齢者の社会活動参加は高齢者のQOL、幸福感を高めることに寄与していることが見出された。社会活動の支援事業における行政の取組みは、高齢者福祉計画の一環であることが明らかとなり、老人クラブ、生涯学習、シルバー人材センターなどの就労事業への支援は活発であった。また、市町村ごとに地域に合った取組みが見られ、従来の研究報告では触れられることのなかった点についても本研究では明らかにすることができた。
結論
高齢者のQOL維持増進の観点からも社会活動参加を促進するための積極的な取組みが必要であり、既存の支援サービスを促進するとともに、地域社会機能の再生、強化や高齢社会の変化に対応できる柔軟な支援システム、サービスの再構築が必要である。加えて若年期からの社会活動参加の支援システム作りも必要であることが示された。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-

文献情報

文献番号
200400333B
報告書区分
総合
研究課題名
高齢者の社会参加に関連する要因の解明と支援システム構築に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
長田 久雄(桜美林大学大学院 国際学研究科 老年学専攻)
研究分担者(所属機関)
  • 芳賀 博(東北文化学園大学 医療福祉学部)
  • 高田 和子(独立行政法人国立健康・栄養研究所 健康増進研究部)
  • 西下 彰俊(東京経済大学 現代法学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、高齢者の社会参加に関連する要因の解明と支援システムの構築につながるような条件整備の方途を明らかにすることである。まず、高齢者の社会活動の関連要因を包括的に明らかにすること、次に社会参加の変化に関連する要因を明確にすること、第3に高齢者の社会参加に関する行政の取組み、支援システムに関する情報を収集し、支援システム構築の基礎資料を得ること、第4に高齢者の社会参加モデルおよび支援システム構築の方途を具体的に提示することに関する調査を実施した。
研究方法
協力者は、1年度目(平成14年度)の調査で回答を得られた東京都A区在住の60歳以上高齢者1,912人、1年度目と2年度目(平成15年度)の調査の両方に回答を得られた1,360人、そして3年度目(平成16年度)の調査における市町村行政担当者であった。1年度目と2年度目の高齢者に対する記述式アンケート調査、3年度目の行政担当者に対する記述式アンケートおよびインタビュー調査の情報をもとに結果をまとめ、考察を行った。
結果と考察
高齢者の社会活動参加の妨害要因としては、身体的健康度の低下や孤独感が、促進要因としては、社会参加の意義、社会活動のきっかけが見出され、高齢者自身の健康状態の他に、環境や社会的状況の影響が明らかになった。また、高齢者の社会活動参加は高齢者のQOL、幸福感を高めることに寄与していることが確認された。社会活動参加を促進するために行政には既存の支援を促進するともに、地域社会機能の再生強化が求められ、高齢社会の変化に対応できる支援システム、サービスの再構築が必要であり、若年期からの支援システム作りも必要であることが明らかとなった。
結論
高齢者の社会参加はQOL、幸福感を高めることに寄与し、高齢者自身の健康状態以外に高齢者を取り巻く社会環境により影響を受けることが明らかになった。高齢者の社会活動参加促進要因、妨害要因が明らかにされ、高齢者の社会活動参加のモデル試案および高齢者の社会参加支援システム構築の基礎試案を提示することができた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-