寒冷・豪雪地域におけるデイサービスの効果に関する研究

文献情報

文献番号
200400328A
報告書区分
総括
研究課題名
寒冷・豪雪地域におけるデイサービスの効果に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
西脇 友子(東京医療保健大学 医療保健学部看護学科)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 和利(新潟大学大学院医歯学総合研究科)
  • 上野 公子(新潟大学 医学部保健学科看護学専攻)
  • 藤野 邦夫(新潟大学 医学部保健学科看護学専攻)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
2,909,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
前回の冬期間調査の対象者に対して追跡調査を実施しデイサービスの効果性を明らかにする。
研究方法
調査対象者は前回と今回の調査に参加した118名である。調査項目は、基本属性、Barthel index、MMSE、GDS-15、日本版EuroQol、握力、四肢筋量(生体電気インピーダンス方式)、血清アルブミン、血色素、身長・体重である。
結果と考察
要支援と要介護1の通所介護利用群と非利用群で2年間の変化を比較した。通所介護利用者は37名(平均年齢87.8歳)、非利用者は24名(平均年齢82.8歳)で、性別に有意差はなく、年齢は通所介護利用群で有意に高かく、要介護度は通所利用群で有意に悪化した。各調査項目の変化を今年度調査の値から初年度調査の値を引いた平均値を用いて両群の2年間の変化を比較した結果、下腿筋量のみ非利用群で増加し、群間で有意差があったのは下腿筋量だけであった。要支援と要介護1の通所介護利用者37名における通所介護利用頻度と各変数との関係をみるため性と年齢を調整して単回帰分析を行った結果、血色素0.2045(0.005)のみに有意な関連を認め、血清アルブミン0.0919(0.068)は関連傾向を示した。通所介護利用頻度が栄養状態の保持に役立っていることが明らかとなった。要介護度の重度化に関連する要因を明らかにするため、調査期間中の要介護度の変化を改善と維持群、重度化群の2群に分けロジステック重回帰分析をおこなった結果、高年齢(p=0.007)、MMSEが低い(p=0.004)、低アルブミン値(p=0.021)が有意な関連因子であった。調査年度毎の平均値や2年間の変化の平均値は、下腿筋量を除き通所介護利用者は非利用者に劣っていなかった。通所介護利用群の平均年齢が87.8歳であることを考慮すれば、年齢と有意な相関を示した握力や筋量、血色素、血清アルブミン値は非利用群より劣っていてもおかしくないように思われる。通所介護が栄養状態の維持に影響していただけでなく、握力や筋量などの身体機能に影響した可能性が考えられる。
結論
要支援と要介護1のみを抜き出し通所利用群と非利用群の2年間の変化を比較した結果、通所介護利用の効果性は証明できなかった。しかし、通所介護利用頻度と血色素は有意な関連を示し、血清アルブミン値も関連が高い傾向にあり、通所介護利用頻度の栄養状態への効果が明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2005-10-25
更新日
-

文献情報

文献番号
200400328B
報告書区分
総合
研究課題名
寒冷・豪雪地域におけるデイサービスの効果に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
西脇 友子(東京医療保健大学 医療保健学部看護学科)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 和利(新潟大学大学院医歯学総合研究科)
  • 上野 公子(新潟大学 医学部保健学科看護学専攻)
  • 藤野 邦夫(新潟大学 医学部保健学科看護学専攻)
  • 増尾 善久(マッスル・ラボ有限会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
寒冷・豪雪地域在住の要介護在宅高齢者に対するデイサービスの効果性を明らかにする。
研究方法
調査対象者は、新潟県大和町在住で調査の参加に同意した要介護在宅高齢者205名である。この内、平成17年1-3月の最終調査の参加者は118名であった。調査項目は、基本属性、Barthel index、MMSE、GDS-15、日本版EuroQol、握力、四肢筋量(生体電気インピーダンス方式)、血清アルブミン、血色素、身長・体重である。
結果と考察
平成14年度の調査で冬期間は70%を超える要介護在宅高齢者がほとんど外出せず、ADLの低下に伴って身体・精神機能、栄養状態が悪化する傾向がみられた。通所介護利用群の方が非利用群より要介護度が高く脆弱性も高い傾向にあったがうつ等は非利用者で悪化傾向がみられた。翌年は夏期間に調査を行い、要介護度が軽い群では冬期間より夏期間で外出頻度が高くなり、身体の動きが良くなっていること、要介護重度群では共に変化がないことがわかった。うつなどの精神機能は季節による変化はなかった。要介護度の軽い人では夏期間の身体機能向上に向けたサービスに工夫が必要なこと、豪雪地域での冬期間の通所介護サービスの必要性が明らかになった。平成16年度は通所介護利用群と非利用群で2年間の変化を比較した。要介護度は通所利用群で有意に悪化した。2年間の変化において群間で有意差があったのは下腿筋量だけであった。要支援と要介護1の通所介護利用者37名における通所介護利用頻度と各変数との関係をみるため性と年齢を調整して単回帰分析を行った結果、血色素のみに有意な関連を認め、血清アルブミンは関連傾向を示した。要介護度の重度化に関連する要因は、高年齢、MMSEが低い、低アルブミン値が有意な関連因子であった。通所介護利用群の平均年齢(87.8)が非利用群より有意に高齢であることを考慮すれば、年齢と有意な相関を示した握力や筋量、血色素、血清アルブミン値は非利用群より劣っていてもおかしくないように思われる。通所介護が栄養状態の維持に影響していただけでなく、握力や筋量などの身体機能に影響した可能性が考えられる。
結論
通所介護利用者は非利用者より高齢で脆弱性が高い傾向にあった。要介護度の軽い人は冬期間より夏期間で外出頻度、身体機能が高くなっていた。通所介護利用の効果性は証明できなかったが、通所介護利用頻度と血色素は有意な関連を示し、血清アルブミン値も関連が高い傾向にあり、通所介護利用頻度の栄養状態への効果が明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2005-11-11
更新日
-