文献情報
文献番号
200400320A
報告書区分
総括
研究課題名
肺癌および慢性肺気腸原因遺伝子の研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
山谷 睦雄(東北大学医学部附属病院 老人科)
研究分担者(所属機関)
- 関沢 清久(筑波大学大学院臨床医学系内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,716,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
慢性肺気腫を主体とする慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症とヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)単塩基遺伝子多型性との関連、炎症性サイトカイン遺伝子多型性および気道平滑筋拡張に関与するbeta2-adrenoceptor(ADRB2) 遺伝子多型性との関係とを調べ、日本人の肺気腫発症遺伝子を検討した。
研究方法
(1)COPD患者、非COPD対照者におけるHO-1-413T/A および、HO-1-413G/C、およびIL-1beta-511 T/CおよびIL-1beta-31 T/Cの単塩基遺伝子多型性を調べた。(2)日本人COPDと非COPD対照者、およびエジプト人のCOPDと非COPD対照者におけるIL-4の単塩基遺伝子多型性589 C/Tおよび33 C/T、およびIL-4 VNTR、IL-13の単塩基遺伝子多型性-1111 C/Tおよび+ 2044 G/A、ADRB2の単塩基遺伝子多型性+46 A/Gおよび+ 79 C/Gの単塩基遺伝子多型性を調べた。
結果と考察
(1)HO-1-413T/AおよびHO-1-413G/Cの単塩基遺伝子多型性とCOPDの関係は認められなかった。(2)IL-1beta-511 T/Cの単塩基遺伝子多型性においてTTの遺伝子型を有する頻度がCOPDで有意に低い結果となった。他方でIL-1beta-31 T/Cの単塩基遺伝子多型性において、COPDと非COPD対照者で違いを認めなかった。(3)エジプト人では、ADRB2 +79 C/G genotypeにCCがCOPDに少なく、GGがCOPDに多い結果となった。ハプロタイプ解析では、日本人では(IL-4 -589 C/T: IL4 VNTR; IL4 -33 C/T: IL4 VNTR)で、エジプト人では (IL-4 -589 C/T: ADRB2 +79 C/G; IL4 VNTR: ADRB2+79 C/G)でCOPDと対象群に有意差が見られた。遺伝子多型とCOPD発症の間には人種による違いが認められた。
結論
慢性閉塞性肺疾患(COPD)発症とIL-1betaおよびADRB2の単塩基遺伝子多型性の関係が明らかとなった。また、ヘムオキシゲナーゼ-1の単塩基遺伝子多型性と慢性閉塞性肺疾患発症との関係は見出せなかった。
公開日・更新日
公開日
2005-04-22
更新日
-