高レムナントリポ蛋白血症に合併する虚血性心疾患および脳梗塞の予防・治療法確立のための大規模臨床研究

文献情報

文献番号
200400300A
報告書区分
総括
研究課題名
高レムナントリポ蛋白血症に合併する虚血性心疾患および脳梗塞の予防・治療法確立のための大規模臨床研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
久木山 清貴(山梨大学 大学院医学工学総合研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 北   徹(京都大学大学院 医学研究科)
  • 松澤 佑次(住友病院)
  • 齊藤  康(千葉大学大学院 医学研究科)
  • 今泉  勉(久留米大学 医学部)
  • 横山 光宏(神戸大学大学院 医学研究科)
  • 多田 紀夫(東京慈恵会医科大学附属柏病院)
  • 田中  明(関東学院大学 人間環境学部)
  • 代田 浩之(順天堂大学 医学部)
  • 山下 静也(大阪大学大学院 医学研究科)
  • 池脇 克則(東京慈恵会医科大学)
  • 橋本 洋一郎(熊本市民病院)
  • 米原 敏郎(済生会熊本病院)
  • 比江島 欣慎(山梨大学 総合分析実験センター)
  • 寺田 信幸(山梨大学 総合分析実験センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
22,219,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高レムナントリポ蛋白血症を治療することで動脈硬化性心血管病の発症を予防できるのか、そして最適な脂質低下薬は何かということは未だ明らかではない。よって、大規模多施設臨床的治験に基づいたエビデンスを収集し、高レムナントリポ蛋白血症に合併する心血管病に対する適正な予防・治療手段を確立することが、本研究の目的である。
研究方法
以下の3系統の計画で目的を達成する予定である。1. レムナントリポ蛋白血液検査の実施状況に関する全国調査。 2. 脳梗塞の再発における高レムナントリポ蛋白血症の関与を明らかにするための前向き追跡調査。3-1. 高レムナントリポ蛋白血症に合併する虚血性心疾患の進展・再発予防に関する前向き追跡ランダム化比較試験。高レムナントリポ蛋白血症に合併する心血管病に対し、代表的な脂質低下剤であるHMGCoA還元酵素阻害剤とフィブラート剤のどちらが有効であるかに関して大規模前向きランダム化比較臨床試験にて検討する。3-2. コレステロール以外の高レムナントリポ蛋白血症を含む脂質代謝異常の動脈硬化性心血管病における臨床的意義の解明。
結果と考察
1. レムナントリポ蛋白が動脈硬化性心血管疾患の強いリスクであることを多くの医師(85%)が認識しているにもかかわらず、同検査を実施しているのはそのうちの半分以下であることが判明した。2. Case-control studyによる中間解析により、高レムナントリポ蛋白血症が脳梗塞のリスクであることが判明した。この結果から、引き続いて行なわれる前向き調査でも高レムナントリポ蛋白血症が脳梗塞再発の予知因子であることが証明される可能性が高いと推測される。3-1. これまでに登録された症例の中間解析の結果、2つの治療群間において、動脈硬化性心血管病の危険因子の有意な差はなく、無作為振り分けが適正に行なわれていることを確認できた。3-2. 高レムナントリポ蛋白血症がメタボリックシンドロームにおける治療標的であることが判明した。
結論
中間解析の結果、進行中の臨床試験が適正に行なわれていることが確認できた。今回の研究にて、高レムナントリポ蛋白血症の虚血性心疾患および脳梗塞における臨床的意義および適切な治療方法が明らかになるとともに、これらの動脈硬化性血管病の予防・治療に関するマニュアルおよびガイドラインの作成時に必要なデータベースまたはエビデンスとなることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-