介護老人保健施設及び介護療養型医療施設における経営実態及びマネジメント実施状況に関する研究

文献情報

文献番号
200400275A
報告書区分
総括
研究課題名
介護老人保健施設及び介護療養型医療施設における経営実態及びマネジメント実施状況に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小山 秀夫(国立保健医療科学院経営科学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究の目的は、介護保険制度における介護保健施設及び介護療養型医療施設の経営状況とマネジメント状況が介護報酬等に与える影響を調査し、これらの調査から、介護保険施設に必要なマネジメント理論を構築することである。
研究方法
 本研究は、3年計画で実施する。研究初年度である今年度は、①米国と日本の介護労働の現状についての文献サーベイ等から問題点の整理を行い、②日米の介護労働に関わる研究の動向を研究協力者を含めた研究会において確認し、③介護保険制度下における居宅介護支援事業・居宅サービス計画策定の今日的課題について概要をまとめ、④特殊疾患療養病棟の現状についての調査を行った。
結果と考察
 わが国と米国の介護労働政策等の比較では、米国でもわが国と同様に高齢者医療・介護費用にかかる財源の確保が問題となっていることが明らかとなった。比較研究から、組織マネジメントの一環として、介護労働者の能力と成果を最大限に高める人的資源管理手法の発達が今後の大きな課題であることが明らかとなった。また介護労働研究会の結果から、介護労働の専門性、イメージ、賃金体系、雇用形態等の問題が明らかとなり、労働集約的な介護サービスにおいて、介護のコスト構造の分析、介護サービスの質の定量的検証を今後とも行う必要があることが明らかとなった。ケアプランと介護支援専門員の研究では、充分なアセスメントとニーズに対応したケア・サービスの結合、ケアプランの効果測定、利用者への情報開示等がケアプラン策定の現行の課題であるという結論を得た。特殊疾患療養病棟についての実態調査から、転帰先の相違等の病棟ごと、病院ごとの違いにきちんと対応することが出来るようなケアの提供とそのための環境の設定が問題であり、それらの必要性を明確に説明できるようにすることが求められているのではないかという考察が明らかとなった。
結論
 各種介護保険事業所におけるマネジメントは、社会保険制度下におけるマネジメントであり、介護保険費用の増大とともに益々重要になるものである。サービス提供の現場の問題として、急激な介護保険サービスの拡大により、一時的であれ労働力の量が不足し、質が低下したと仮定することは可能であろう。今後とも、介護労働力の先行業績や欧米の状況をマネジメントという観点から再構築し、サービス自体のマネジメントのあり方を再検討し、制度の安定的、持続的発展を考察することが必要である。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-