自立と介助の両側面からアプローチしたベッドの開発

文献情報

文献番号
200400268A
報告書区分
総括
研究課題名
自立と介助の両側面からアプローチしたベッドの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
井上 剛伸(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 山崎 信寿(慶應義塾大学理工学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
4,655,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ベッド上での生活を余儀なくされる高齢者・障害者の最大限の自立を促進し、介助者の役割を最小限に設定した上で、介助者負担を軽減する新しいベッドの開発を行うことを目的とする。今年度は、覚醒度の向上策、ベッド上での自立活動要件、介助負担の軽減策について実験的検証を行い、それを基に新たなベッドの開発要件を求めた。
研究方法
筋刺激に着目した背折れ姿勢と不安定枕を提案し、覚醒度の計測実験を行った。また、ベッド上での飲食・書字・モニタ作業に注目し、身体モデルと3次元計測装置により作業姿勢と什器の設計条件を求めた。さらに、体幹部3軸角度計を用いて、おむつ交換と移乗介助作業における腰部負担を計測した。これらの結果を基に、ベッド支持面分割数と調節箇所、調節範囲の検討、基本構造と駆動方法の検討を行った。
結果と考察
覚醒度の向上策として、胸部角度30°の背折れ姿勢と不安定枕の有効性が確認できた。また、上肢による作業範囲と視野を考慮した作業姿勢と什器配置範囲を求めた。介助負担については、ベッド高と作業スペースが影響することが示された。以上の結果を基に、開発するベッドの支持面分割数を7とし、各部の調整範囲を決定した。
研究結果より、ベッド上においても覚醒度の向上が可能であることが示され、精神的なモチベーションを保てることが明らかになった。その上で、什器を操作しやすい位置に配置することで、ベッド上での自立を向上する方策を提案できた。また、介助負担を軽減するベッドの要件としては、介助者の身長に応じたベッド高の設定と、作業スペースの確保が重要である。作業スペースは什器の配置などと干渉する可能性もあり、今後これらも含めたベッドの要件を決定し、開発を進める予定である。
結論
今年度は、ベッド上での覚醒度の向上策と自立活動要件、ベッド周りでの介助における腰部負担の検討を行った。また、その結果をもとにベッドの開発要件を決定し、試作機を構築した。今後は、試作ベッドの完成および評価・改良を進める予定である。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-