要支援者および軽度要介護者の介護サービスの計画および標準化に関する研究

文献情報

文献番号
200400267A
報告書区分
総括
研究課題名
要支援者および軽度要介護者の介護サービスの計画および標準化に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
杉原 素子(国際医療福祉大学 保健学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,365,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
軽度層高齢者の心身の状態を改善するために対象者の類別化と、各々の類別された群に必要なケアの内容を標準化することを目的とする。本年度は、研究の開始と同時期に大田原市が介護予防モデル事業を受託したことから、研究①モデル事業(筋力向上トレーニング)の実施、研究②軽度層高齢者の類別化の二つの段階に分けて進めた。
研究方法
研究①の対象者は、大田原市在住の要支援(177人)、要介護1(296人)の計473人であり、介護が必要になった原因を主治医意見書、認定情報(一次判定資料)、認定資料(特記事項)から読み取り、主に診断に基づき類別し、対象者を選定し訪問調査を実施。27人に筋力トレーニング教室を実施。
研究②は、研究①を踏まえ全軽度層を対象として一次判定資料を分析し、具体的な介入内容をイメージしながら軽度層の類別化の基準案を作成。
結果と考察
研究①は軽度層高齢者を対象とした運動プログラムを考案し、実施した結果、ほぼ全員に歩行能力を中心とした運動機能に改善がみられた。また運動能力の改善だけではなく、生活全体の広がりや生活能力の改善も認められ、「歩行」を主たる手段としている軽度層においては、「歩行」の改善により他の生活面にも自信を取り戻すことが比較的容易であると考えられた。プログラムは、4種の自重を負荷とした運動、2種の「ゴムバンド(強度3段階)」運動の計6種類で、特別な器械を必要としないことから、指導内容を専門職以外にも移転できる内容となった。
研究②は、研究①の結果を踏まえ類別化の視点を第一次判定資料の項目群に置き、「起居・移動グループ(第2・3群)」「生活技能グループ(第4・5群)」「社会参加グループ(第6・7群)」に分けた。また「生活技能グループ」には「ADLグループ」と「IADLグループ」の下位グループを置いた。次に改善させるべき課題を具体的に選び出すことができるよう新たな評価項目の検討を行い、評価段階(案)を作成した。この視点は、現時点でサービスを受けている能力をより高めることを目指すものであり、それによって現在受けているサービスの量を減少あるいは無くしても自分自身で生活が管理できるようにする、自立支援を目標に置いたものとなった。
結論
研究①②の実績を踏まえて、ケア内容に焦点を当てた「軽度層高齢者の類別化」が可能である。

公開日・更新日

公開日
2005-05-10
更新日
-