高齢者排尿障害に対する患者・介護者、看護師向きの排泄ケアガイドライン作成、一般内科医向きの評価基準・治療効果判定基準の確立、普及と高度先駆的治療法の開発

文献情報

文献番号
200400263A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者排尿障害に対する患者・介護者、看護師向きの排泄ケアガイドライン作成、一般内科医向きの評価基準・治療効果判定基準の確立、普及と高度先駆的治療法の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
岡村 菊夫(国立長寿医療センター手術・集中医療部)
研究分担者(所属機関)
  • 後藤百万(名古屋大学医学部附属病院 泌尿器科)
  • 井川靖彦(信州大学医学部附属病院 泌尿器科)
  • 柿崎秀宏(北海道大学病院  泌尿器科)
  • 宮川征男(鳥取大学医学部附属病院 泌尿器科)
  • 菅谷公男(琉球大学医学部附属病院 泌尿器科)
  • 長谷川友紀(東邦大学医学部 公衆衛生学)
  • 山元ひろみ(ユニ・チャーム(株)ヘルスケア事業本部)
  • 渡邉順子(聖隷クリストファー大学看護学部)
  • 泉キヨ子(金沢大学医学部 保健学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢者において排尿障害の頻度は高く、おむつの必要のない高齢者が評価されることもなくおむつをされているようなことが日常茶飯事的に行われている。高齢化社会では、介護者、看護師、一般内科医、泌尿器科医がそれぞれの役割を果たしていかなければならない。しかし、排泄障害の評価や排泄管理法についての教育や情報源はどのレベルでも極めて不十分である。本研究では、高齢者のQoL向上、「人間の尊厳」擁護、医療レベル向上の観点から、①家庭、老人ホーム、病院において介護者・看護師を対象とした排泄ケアガイドラインの作成、②一般内科医向きの高齢者排尿障害の評価基準・効果判定基準の確立と普及、③既存の治療法では軽快しない蓄尿障害・尿排出障害に対して、介護の負担をも軽減できる新たな治療法の開発を行う。
研究方法
①後藤は、平成12年度厚生科学研究長寿総合研究事業「高齢者尿失禁の評価・治療に関するガイドラインの作成」をもとに、排泄ケアマニュアルを作成した。試作したマニュアルに関して、高齢者の実際の看護・介護に関わる専門職68名が評価した。山元は排泄用具(おむつ・パッド)選択のアルゴリズムを作成した。渡邉は高齢者排尿ケアの標準化に関する研究を行い、泉は排泄ケアの実態調査を行った。
②岡村は一般内科医のための排尿障害診療マニュアルの作成、水分の過剰摂取と梗塞性疾患の関連に関するシステマティックレビューを行った。長谷川は来年度大府・東浦地区で行う病診・診診連携率の前向き研究の方法を考案した。
③高齢者排尿障害の3つの因子であるa. 過活動膀胱、b. 排尿収縮力低下、c. 夜間多尿に対し高度先駆的治療法を開発する。aに対しては宮川と岡村が膀胱排尿筋内ボツリヌストキシン注入療法を、井川と柿崎がレジニフェラトキシン膀胱内注入療法を検討し、bに対しては岡村が尿道括約筋内ボツリヌストキシン注入療法を検討し、cに対しては菅谷がメラトニン治療を検討する。
結果と考察
③に関しては研究体制の整備が若干遅れたものの、全体としてみれば本年度の研究の進捗状況はほぼ予定通りである。①排泄ケアマニュアル(後藤)、適正なオムツ選択のためのアルゴリズム(山元)、②一般内科医のための排尿障害診療マニュアル(岡村)は、来年度に有用性に関する検証作業が行われる予定である。③高齢者の難治性排尿障害に対する新しい治療法も報告できるものと考えられる。
結論
全体としてみれば、研究の進捗状況はほぼ予定通りである。

公開日・更新日

公開日
2005-04-15
更新日
-