高齢者虐待の早期発見及び早期介入システムに関する国際的研究

文献情報

文献番号
200400258A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者虐待の早期発見及び早期介入システムに関する国際的研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
多々良 紀夫(淑徳大学 総合福祉学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
3,287,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、高齢者虐待への取り組みの法制化が進んでいるアメリカとカナダから学べることを学び、日本国内での研究・実践活動に反映させることである。
研究方法
研究目的のために以下の活動を展開した。(1)高齢者虐待に関するアメリカのキーコンセプト(「アメリカの高齢者虐待通報システムと通報義務者」、「アメリカの高齢者虐待通報システム及びその他の要因の効果」、「アメリカの長期ケアオンブズマンプログラム」、そして「リスクを測定・評価するための道具」)を、本研究のホームページで紹介した。(2)「高齢者の権利及び高齢期の心配事に関する意識調査」を日本とアメリカで行った。調査対象はコンビニエントサンプリング法により北海道寿都町及び佐賀市の高齢者、サンフランシスコ市及び同市郊外の中国系アメリカ人高齢者及びロサンゼルス市及び同市郊外の韓国系アメリカ人高齢者それぞれ100人、合計400人を選んだ。調査終了後、データの集計、分析を行った。(3)『高齢者虐待早期発見・早期介入ガイド』第5版を発行及び配布した。(4)日本高齢者虐待防止学会(JAPEA)の高齢者虐待研究の行動計画の構築のために、大阪と東京でフォーカスグループ形式のディスカッションを行った。
結果と考察
本研究の活動の結果と考察を短くまとめる。(1)これまでに発表したアメリカの高齢者虐待のキーコンセプトは、簡単な解説・説明であるため、今後、専門的な知識を得るのに必要な参考文献リストのような資料もできる限り添えていく。(2)意識調査は、中国系アメリカ人高齢者と韓国系アメリカ人高齢者の違いとして、中国系アメリカ人高齢者のほうが、韓国系アメリカ人高齢者に比べて、アメリカ政府に批判的であったことは興味深いことであった。(3)早期発見・早期介入ガイドは、これまでに数千部を介護サービス事業者に配布し、高齢者虐待に関する知識の向上に寄与してきた。(4)高齢者虐待研究の行動計画の構築については、平成17年7月に行われるJAPEAの年次大会までに完成させる予定である。
結論
研究の目的は、アメリカとカナダから学べることを学び、日本国内での研究活動に反映させることであった。初年度行った研究活動の中で最も重要なものは、高齢者虐待虐待に関するアメリカのキーコンセプトの紹介と日本とアメリカ高齢者の意識調査の実施であった。来年度は、これらの活動の質的な向上を目指す計画である。

公開日・更新日

公開日
2005-05-10
更新日
-