文献情報
文献番号
200400254A
報告書区分
総括
研究課題名
要介護状態の予防ならびに介護の質を改善するための方策に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
岸 玲子(北海道大学大学院医学研究科(予防医学講座公衆衛生分野))
研究分担者(所属機関)
- 笹谷 春美(北海道教育大学札幌校社会学研究室)
- 太田 貞司(神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部)
- 佐藤 直樹((財団法人)北海道高齢者問題研究協会)
- 安田 素次(市立札幌病院付属静療院)
- 中川 仁(医療法人社団豊生会東苗穂病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
7,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
高齢者の要介護度ごとに心身機能を悪化させるリスク要因や適切な社会的サポートのあり方を明らかにするとともに、高齢者や地域社会の特性を把握する指標を開発し、介護労働者や自治体関係者の資質向上に役立てることを目的とする。
研究方法
1.北海道3地域(大都市・旧産炭過疎地・都市近郊農村)の高齢者を追跡し、社会的サポートネットワークの要介護度や認知機能、死亡への影響を解明。
2.精神科外来通院中の在宅認知症患者を対象にBPSDの悪化要因を認知症の進行度、服薬状況、介護体制、主介護者のストレスから検討。
3.脳卒中等回復期リハビリ病棟入院患者を対象に、自宅復帰可能でありながら施設入所である要因を解明。
4.近接地域ながら、要介護認定率や施設利用率に差があった北海道厚田と浜益、神奈川県清川と津久井を対象に、介護保険実施前後の要介護者への支援変化について事例調査を実施。
5.地域高齢者の認知機能に影響を与える要因に関する国内外の文献的考察を行う。北欧で成果をあげている「予防型家庭訪問」(Preventive Home Visits)の調査も行う。
2.精神科外来通院中の在宅認知症患者を対象にBPSDの悪化要因を認知症の進行度、服薬状況、介護体制、主介護者のストレスから検討。
3.脳卒中等回復期リハビリ病棟入院患者を対象に、自宅復帰可能でありながら施設入所である要因を解明。
4.近接地域ながら、要介護認定率や施設利用率に差があった北海道厚田と浜益、神奈川県清川と津久井を対象に、介護保険実施前後の要介護者への支援変化について事例調査を実施。
5.地域高齢者の認知機能に影響を与える要因に関する国内外の文献的考察を行う。北欧で成果をあげている「予防型家庭訪問」(Preventive Home Visits)の調査も行う。
結果と考察
1. 女性では、社会的サポートネットワークによる死亡や要介護状態への影響が顕著で、サポートの提供経験が要介護リスクを低めた。男女ともに就労が早期死亡や要介護状態のリスクを低めた。本調査でのサポート提供は家事や介護など女性が担っていた役割の測定であり、社会的役割の維持が女性の心身機能の維持に関連することがわかった。
2.平成17年4月より調査を開始し、現在データ収集中である。
3.自宅とそれ以外への転帰の分岐点となるのは自立度B1・B2ランクだった。
4.インタビューを行い、地域特性による支援方法の相違を分析中。
5. 脳血管疾患の他、(1)社会・身体・精神的活動、(2)社会的サポート・ネットワークが認知機能に影響し、リスクを下げる。今後、デンマークやスェーデンで実施されているPreventive Home Visitsを、高齢者自身が介護予防の知識を修得できるようサポートする。現在4か所の市町村で前向き研究を準備中である。
2.平成17年4月より調査を開始し、現在データ収集中である。
3.自宅とそれ以外への転帰の分岐点となるのは自立度B1・B2ランクだった。
4.インタビューを行い、地域特性による支援方法の相違を分析中。
5. 脳血管疾患の他、(1)社会・身体・精神的活動、(2)社会的サポート・ネットワークが認知機能に影響し、リスクを下げる。今後、デンマークやスェーデンで実施されているPreventive Home Visitsを、高齢者自身が介護予防の知識を修得できるようサポートする。現在4か所の市町村で前向き研究を準備中である。
結論
豊富な社会的サポートやネットワークが要介護状態や抑うつ状態のリスクを低減させた。回復期リハビリ病棟退院、在宅復帰後のADL、自立度維持状況を追跡し、転帰の分岐点となる自立度を解明した。Preventive Home Visitが介護予防活動へ応用可能である。さらに、認知機能に影響する要因、認知症高齢者のBPSDに影響する要因、要介護者出現の地域差を明らかにし、要介護状態の予防や介護の質を改善する指針の根拠にできる。
公開日・更新日
公開日
2005-05-10
更新日
-