エビデンスに基づく褥瘡治療薬の適正使用とその経済評価及び普及活動研究

文献情報

文献番号
200400249A
報告書区分
総括
研究課題名
エビデンスに基づく褥瘡治療薬の適正使用とその経済評価及び普及活動研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
秋葉 保次(社団法人 日本薬剤師会 役員室)
研究分担者(所属機関)
  • 福井 基成(北野病院 呼吸器内科)
  • 磯貝 善蔵(国立長寿医療センター 皮膚科)
  • 古田 勝経(国立長寿医療センター 薬剤部)
  • 近藤 喜博士(相生山病院 薬剤部)
  • 野田 康弘(名古屋市立大学大学院 薬学研究科)
  • 串田 一樹(昭和薬科大学 医療薬学教育研究施設)
  • 水野 正子(名古屋処方箋調剤薬局 平針店)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,991,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
褥瘡の病態と水分量に基づいた適正な治療薬の選択法の臨床、統計両面からの検討と、その普及活動、及び薬剤師間、他職種との連携による医療貢献。
研究方法
① 褥瘡の病期と水分量から一番適正な混合薬剤を標準薬剤として提案する。
② 提案薬剤による臨床評価を詳細に行う。
③ 混合薬剤の安定性、水分授受の薬剤学的検証、使用例の集計とその統計的分析。
④ 推奨薬剤とその他の薬剤選択、創傷被覆材、その他の方法との経済的、社会的効果等の比較研究 
⑤ 標準化薬剤の普及活動と使用例収集、褥瘡に関わる薬剤師の支援体制の構築、他職種との連携活動
結果と考察
①褥瘡の基礎知識と標準薬剤について褥瘡治療薬マニュアルとして取りまとめた。②浅い褥瘡の推奨ブレンド軟膏の製剤学的検証を行い、異なった軟膏基剤でも混合比率によっては安定していることを確認。③浅い褥瘡での推奨ブレンド軟膏は経済的に優れていることが明らかとなった。④薬剤師、一般市民向けに計4回の褥瘡治療薬の適正使用に関する研修会を実施。
今年度は褥瘡治療薬の選択法を臨床、統計、製剤の各分野で検討し、体系化していくための基礎的研究を行ったが、次年度さらに研究を拡充する。また、褥瘡研修会には多数の参加者があり関心の高さが認められた。これから在宅医療の比率が拡大していくことを考えると、褥瘡治療にかかる適切な薬剤選択と適正使用の普及促進を図ることは患者のQOL、医療の質の向上に貢献できるものと考える。
結論
これら一連の研究は医師との連携は当然のことながら、薬剤師においても大学、病院、薬局の薬剤師のきめ細かい連携が必須であった。この連携は研究の進捗のみならず、現在の医療体制の中で大きな成果に繋がることが期待できる。次年度では褥瘡治療薬の使用例収集をより積極的に行い、褥瘡治療薬、創傷被覆材、その他の方法の治療成績を統計学的に解析したい。また、職種の異なる薬剤師の連携、他の職種との連携を進め、病院と地域が一体となって患者に貢献できる医療体制の基盤づくりに役立てたい。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-