文献情報
文献番号
200400241A
報告書区分
総括
研究課題名
術中MRI下腹腔鏡下手術システムの確立
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
橋爪 誠(国立大学法人九州大学大学院医学研究院災害・救急医学)
研究分担者(所属機関)
- 掛地 吉弘(国立大学法人九州大学病院先端医工学診療部)
- 川中 博文(国立大学法人九州大学病院消化器・総合外科)
- 家入 里志(国立大学法人九州大学病院先端医工学診療部)
- 村垣 善浩(東京女子医科大学大学院先端生命医科学研究所先端工学外科分野)
- 波多 伸彦(東京大学大学院情報理工学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 基礎研究成果の臨床応用推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、術中MRIを併用した腹腔鏡下手術システムを確立することで、がん治療において蓄積されてきた知見や診断情報と術中情報の連携を可能とし、切除範囲の限局といった低侵襲化の推進、安全性の一層の向上、がん患者のQOLのさらなる改善を実現することを目的とする。
本研究の目的達成のため、根幹となるMRI対応3次元内視鏡の開発に取り組む。16年度は、その前段階として、MRI画像に影響を及ぼさず、MRI撮像中でも術野を直視可能な2次元内視鏡を開発し、その有用性を検討した。
本研究の目的達成のため、根幹となるMRI対応3次元内視鏡の開発に取り組む。16年度は、その前段階として、MRI画像に影響を及ぼさず、MRI撮像中でも術野を直視可能な2次元内視鏡を開発し、その有用性を検討した。
研究方法
16年度は、基礎検討に基づきMR対応2次元内視鏡の設計・試作を行い、その動作検証を0.3T開放型MRI装置(日立メディコ社製)下で行った。術中MRI下での治療手法検討としては、現在、肝悪性腫瘍の局所療法として主流となりつつあるラジオ波焼灼療法をMRI画像誘導下に施行可能かどうかを検証した。試作した内視鏡とMR対応ニードル(1.5mmφ, 150mm長)を用い、ターゲットを埋め込んだ寒天、及び牛肝臓に対して、準リアルタイムに得られるMRI画像と、リアルタイムに得られる内視鏡映像を参照しながら、MR画像誘導下に穿刺実験を行った。
結果と考察
試作したMRI対応2次元内視鏡は、様々なノイズ対策により、VCCI規定のクラスB以下の低EMIを実現した。また、MRI装置下での動作検証では、内視鏡本体の磁場による牽引はなく、MRI撮像中の内視鏡映像へのノイズは治療に影響を与えない程度であり、内視鏡本体によるMRI画像へのノイズも最小限に抑えることができた。また、MRI画像誘導下にラジオ波焼灼療法を行ったところ、ターゲットに正確な穿刺を行うことができた。
試作したMRI対応2次元内視鏡は、磁場による牽引がなく術中の操作に支障がなかったこと、また、撮影によるRFパルス照射時も鮮明な内視鏡映像が得られ、MRI画像中にも顕著なノイズが見られなかったことから、MRI下での腹腔鏡下手術に利用することが可能であると思われた。また、焼灼中も術野の鮮明な内視鏡映像が得られたことから、より安全な穿刺が可能であると考えられる。
試作したMRI対応2次元内視鏡は、磁場による牽引がなく術中の操作に支障がなかったこと、また、撮影によるRFパルス照射時も鮮明な内視鏡映像が得られ、MRI画像中にも顕著なノイズが見られなかったことから、MRI下での腹腔鏡下手術に利用することが可能であると思われた。また、焼灼中も術野の鮮明な内視鏡映像が得られたことから、より安全な穿刺が可能であると考えられる。
結論
MRI対応2次元内視鏡を開発し、術中の準リアルタイム画像と併用することで、MRI下での画像誘導穿刺を安全かつ正確に施行できた。
公開日・更新日
公開日
2005-04-13
更新日
-