文献情報
文献番号
200400231A
報告書区分
総括
研究課題名
動脈硬化病変(再狭窄、不安定プラーク)に対する画期的血管内治療システムの創製-霊長類モデル作製から臨床応用まで-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
江頭 健輔(九州大学 大学病院循環器内科)
研究分担者(所属機関)
- 砂川 賢二(九州大学大学院 医学研究院 循環器内科学)
- 市来 俊弘(九州大学 大学病院 循環器内科)
- 米満 吉和(九州大学大学院 医学研究院病理病態学)
- 北嶋 隆((財)神奈川科学技術アカデミー)
- 野見山弘章(川澄化学工業(株)研究開発部)
- 糀本 芳郎((有)プライメイト中国研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 基礎研究成果の臨床応用推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
55,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、我々独自の研究成果を踏まえて、再狭窄抑制・プラーク不安定化抑制をもたらす次世代の遺伝子・薬剤溶出型ステントを創製し、臨床応用を目指すことである。具体的には以下の3点を目標としている。
1) 霊長類(カニクイザル)を用いた再狭窄・動脈硬化モデルの作製、2)再狭窄抑制ならびに動脈硬化プラーク不安定化抑制(安定化促進)をもたらす遺伝子・薬剤溶出型ステントの開発、3)臨床応用を目指した探索的臨床研究(トランスレーショナルリサーチ)。
1) 霊長類(カニクイザル)を用いた再狭窄・動脈硬化モデルの作製、2)再狭窄抑制ならびに動脈硬化プラーク不安定化抑制(安定化促進)をもたらす遺伝子・薬剤溶出型ステントの開発、3)臨床応用を目指した探索的臨床研究(トランスレーショナルリサーチ)。
研究方法
1.高コレステロール血症サルの腸骨動脈に金属ステントを留置し、内膜肥厚(再狭窄)が生じることを確認した。ウサギでは1ヶ月後の新生内膜形成を確認した。
2.医療用ポリマーに遺伝子プラスミドを溶解し金属ステントにコーティングし遺伝子溶出型ステントを作製した。
3.霊長類とウサギモデルを用いて2.の遺伝子溶出型ステントの有効性と安全性を評価した。
4.高コレステロール血症サルあるいはウサギの大動脈にバルーン傷害を行い、ヒト不安定プラークに類似した動脈硬化性プラークを作製した。
2.医療用ポリマーに遺伝子プラスミドを溶解し金属ステントにコーティングし遺伝子溶出型ステントを作製した。
3.霊長類とウサギモデルを用いて2.の遺伝子溶出型ステントの有効性と安全性を評価した。
4.高コレステロール血症サルあるいはウサギの大動脈にバルーン傷害を行い、ヒト不安定プラークに類似した動脈硬化性プラークを作製した。
結果と考察
1)遺伝子溶出型ステントの有効性試験:7ND遺伝子溶出型ステントの再狭窄抑制作用を上記モデルを用いて検討し、遺伝子溶出型ステントでは、対照ステントと比較して平滑筋増殖・遊走が抑制されており、その結果、1ヶ月後の新生内膜形成が抑制された。
2)不安定化プラークモデルの作製:高コレステロール食負荷ウサギならびにサルの胸部-腹部大動脈をバルーン傷害し1ヶ月後、ヒトで報告されている不安定化プラークと同様の病変が観察された。
2)不安定化プラークモデルの作製:高コレステロール食負荷ウサギならびにサルの胸部-腹部大動脈をバルーン傷害し1ヶ月後、ヒトで報告されている不安定化プラークと同様の病変が観察された。
結論
本研究により、ステントを用いた7ND遺伝子局所導入によって「優れた」新生内膜抑制効果が得られることが明かとなった。今後、長期有効性と安全性を検討していく予定である。これらの成績から、7ND遺伝子溶出型ステントが「より優れた」「安全性の高い」再狭窄抑制技術を発揮する次世代医療機器となる可能性が示された。
公開日・更新日
公開日
2005-05-10
更新日
-