ヒト肝細胞キメラマウスを用いた医薬品の動態および安全性予測システムの構築

文献情報

文献番号
200400224A
報告書区分
総括
研究課題名
ヒト肝細胞キメラマウスを用いた医薬品の動態および安全性予測システムの構築
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
横井 毅(金沢大学(薬学部))
研究分担者(所属機関)
  • 吉里 勝利(広島大学 大学院理学研究科)
  • 中島 美紀(金沢大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【トキシコゲノミクス分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
60,264,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
広島大学の吉里勝利教授(分担研究者)が開発に成功したヒト肝細胞キメラマウスは、画期的なマウスであり、マウス肝の80%以上がヒト肝細胞と置き換わり、ヒトと同一の性質の肝臓を持つマウスを多量に得ることができる。本研究では、このヒト肝細胞キメラマウスについて、創薬研究の視点からの幅広い動態研究・毒性研究への応用および評価研究を行った。
研究方法
キメラマウスの作出と供給を行うと同時に、安定生産技術の開発研究を行った。作出されたキメラマウスを用いて、金沢大学薬学部で、5研究項目を実施した。さらに、キメラマウスが供給できる範囲で製薬メーカー7社2大学と共同研究として11の研究項目を実施した。プロジェクト内容の検討、調整およびマウスの使用調整は主任研究者の横井および分担研究者が行った。
結果と考察
 昨年度に立ち上げたヒト肝細胞キメラマウス研究会によって、当初の予定より非常に多くのプロジェクトを実施することができた。個々の内容の詳細は報告書に記すが、酵素誘導能については、ヒトに特徴的な誘導を示し、ドナー由来の肝細胞と同程度の充分な誘導を示した。さらに、キメラマウスの初代培養肝細胞も、ヒト型の代謝および誘導を示した。薬物誘導能の個体差もキメラマウス肝に引き継がれており、特定の酵素の誘導能が低いドナー肝細胞からは、誘導能が低いキメラマウスが作出された。さらに、キメラマウス肝のゲノムDNAから、ドナーと同じ遺伝子多型が検出でき、特定の酵素が遺伝的に欠損しているドナーからは、同様の欠損型のキメラマウスが作出された。また、ヒト型の薬物間相互作用をキメラマウスin vivoで再現できた。
結論
本研究では多くの製薬会社の研究所の関心が非常に高かった為に、代表的な製薬会社に絞って、充実した研究班を組織し多くのプロジェクトを実施することができ、当初の目的をほぼ達成した。海外での学会発表および論文発表に対しても、非常に多くの問い合わせが来ている。さらに、キメラマウスに特化した創薬研究の受託研究会社が、立ち上がったことから、このマウスの作製技術とこれまでの研究成果が創薬研究に直結して社会に還元できることとなった。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-

文献情報

文献番号
200400224B
報告書区分
総合
研究課題名
ヒト肝細胞キメラマウスを用いた医薬品の動態および安全性予測システムの構築
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
横井 毅(金沢大学(薬学部))
研究分担者(所属機関)
  • 吉里 勝利(広島大学(大学院理学研究科))
  • 中島 美紀(金沢大学(薬学部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【トキシコゲノミクス分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
広島大学の吉里勝利教授(分担研究者)が開発に成功したヒト肝細胞キメラマウスは、画期的なマウスであり、マウス肝の80%以上がヒト肝細胞と置き換わり、ヒトと同一の性質の肝臓を持つマウスを多量に得ることができる。本研究では、このヒト肝細胞キメラマウスについて、創薬研究の視点からの幅広い動態研究・毒性研究への応用および評価研究を行った。
研究方法
キメラマウスの作出と供給を行うと同時に、安定生産技術の開発研究を行った。作出されたキメラマウスを用いて、金沢大学薬学部で、5研究項目を実施した。さらに、キメラマウスが供給できる範囲で製薬メーカー7社2大学と共同研究として11の研究項目を実施した。プロジェクト内容の検討、調整およびマウスの使用調整は主任研究者の横井および分担研究者が行った。
結果と考察
キメラマウス研究会を立ち上げたことにより、創薬への応用研究や評価研究について、当初の予定より非常に多くのプロジェクトを実施することができた。個々の内容の詳細は報告書に記すが、全体として、キメラマウスは、ヒト肝とほぼ同様または少々低いながらもヒト型の薬物代謝能を有していた。酵素誘導能については、ヒトに特徴的な誘導を示し、ドナー由来の肝細胞と同程度の充分な誘導を示した。さらに、キメラマウスの初代培養肝細胞も、ヒト型の代謝および誘導を示した。薬物誘導能の個体差もキメラマウス肝に引き継がれており、特定の酵素の誘導能が低いドナー肝細胞からは、誘導能が低いキメラマウスが作出された。さらに、キメラマウス肝のゲノムDNAから、ドナーと同じ遺伝子多型が検出でき、特定の酵素が遺伝的に欠損しているドナーからは、同様の欠損型のキメラマウスが作出された。また、ヒト型の薬物間相互作用をキメラマウスin vivoで再現できた。
結論
本研究では多くの製薬会社の研究所の関心が非常に高かった為に、代表的な製薬会社に絞って、充実した研究班を組織し多くのプロジェクトを実施することができ、当初の目的をほぼ達成した。海外での学会発表および論文発表に対しても、非常に多くの問い合わせが来ている。さらに、キメラマウスに特化した創薬研究の受託研究会社が、立ち上がったことから、このマウスの作製技術とこれまでの研究成果が創薬研究に直結して社会に還元できることとなった。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-