マイクロアレー、プロテインチップを活用した、ヒト正常神経細胞を用いた薬剤安全性評価システムの開発

文献情報

文献番号
200400212A
報告書区分
総括
研究課題名
マイクロアレー、プロテインチップを活用した、ヒト正常神経細胞を用いた薬剤安全性評価システムの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
金村 米博(産業技術総合研究所(セルエンジニアリング研究部門))
研究分担者(所属機関)
  • 角田 達彦(理化学研究所 遺伝子多型研究センター)
  • 岡野 栄之(慶應義塾大学 医学部生理学教室)
  • 伊藤 允好(神戸薬科大学 薬学部生命有機化学研究室)
  • 三木 直正(大阪大学 大学院医学系研究科情報薬理学)
  • 山崎 麻美(国立病院機構大阪医療センター 臨床研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【トキシコゲノミクス分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ヒト神経幹細胞あるいはそこから人為的に分化誘導したヒト神経・グリア細胞をin vitro評価用基準細胞として用いる投与薬剤の遺伝子・たんぱく質発現に及ぼす影響を包括的に解析する手法の確立とそれを駆使した高感度安全性評価システムの開発を目指す。さらに、SNP情報に基くヒト神経系の副作用予測システムを構築することを目指す。
研究方法
1)ヒト神経幹細胞からの効率的神経細胞ならびにグリア細胞作成技術の開発:ヒト羊膜上皮細胞の分化能評価、多能性幹細胞(マウスES細胞)からの神経細胞作成技術の開発を実施した。2)マイクロアレーシステムを主体とした、薬剤投与後の遺伝子発現の包括的解析システムの開発:既に確立したマイクロアレー解析手法の問題点修正と、ヒト神経系細胞を用いての毒性関連遺伝子、遺伝子ネットワークの抽出を実施した。3)プロテインチップシステムを主体とした、薬剤投与後のタンパク質発現の包括的解析システムの開発:SELDI-TOFMS方式のプロテインチップ解析と2次元電気泳動法の併用解析と、各解析手法の特性を検討した。4)遺伝的多型情報の差異に基づく、薬剤の神経系に対する安全性の評価システムの開発: all-transレチノイン酸、抗コレステロール剤、抗けいれん剤(バルプロ酸)、抗うつ薬(SSRI)、エタノール、メタンフェタミンが遺伝子、タンパク質発現に及ぼす影響を解析した。
結果と考察
1)ヒト羊膜上皮細胞はGFAP陽性グリア様細胞として応用可能であることが判明した。
2)蛍光色素依存的な偏りを色素交換実験(DyeSwap)で補正する数理解析手法を開発し、精度の大きな向上達成と、ヒトGFAP陽性細胞に対する抗うつ薬(SSRI)の作用・副作用機序関連パスウエイ同定に至った。
3)SELDI-TOFMS法と二次元電気泳動法を併用したハイスループットで効率よくかつ低コストなプロテオーム解析を考案した。
4)幾つかの薬剤副作用関連候補遺伝子、蛋白質が具体的に同定されるに至った。
結論
マイクロアレー、プロテインチップを活用した、ヒト正常神経細胞を用いた薬剤安全性評価システムの開発を目指した3年間のプロジェクトであったが、使用細胞の選定、マイクロアレー解析方法、評価方法、プロテオーム解析方法、評価方法に十分な成果を上げることが出来、ヒト正常神経系細胞(GFAP陽性細胞)を用いた薬剤安全性評価システムを構築することが達成できたと考える。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-

文献情報

文献番号
200400212B
報告書区分
総合
研究課題名
マイクロアレー、プロテインチップを活用した、ヒト正常神経細胞を用いた薬剤安全性評価システムの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
金村 米博(産業技術総合研究所(セルエンジニアリング研究部門))
研究分担者(所属機関)
  • 角田 達彦(理化学研究所 遺伝子多型研究センター)
  • 岡野 栄之(慶應義塾大学 医学部生理学教室)
  • 伊藤 允好(神戸薬科大学 薬学部生命有機化学研究室)
  • 三木 直正(大阪大学 大学院医学系研究科情報薬理学)
  • 山崎 麻美(国立病院機構大阪医療センター 臨床研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【トキシコゲノミクス分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ヒト神経幹細胞あるいはそこから人為的に分化誘導したヒト神経・グリア細胞をin vitro評価用基準細胞として用いる投与薬剤の遺伝子・たんぱく質発現に及ぼす影響を包括的に解析する手法の確立とそれを駆使した高感度安全性評価システムの開発を目指す。さらに、SNP情報に基くヒト神経系の副作用予測システムを構築することを目指す。
研究方法
1)ヒト神経幹細胞からの効率的神経細胞ならびにグリア細胞作成技術の開発、2)マイクロアレーシステムを主体とした、薬剤投与後の遺伝子発現の包括的解析システムの開発、3)プロテインチップシステムを主体とした、薬剤投与後のタンパク質発現の包括的解析システムの開発、4)遺伝的多型情報の差異に基づく、薬剤の神経系に対する安全性の評価システムの開発を実施した。
結果と考察
非神経系ヒト細胞(ヒト臍帯血細胞、長期培養したヒト間葉系幹細胞、ヒト羊膜上皮細胞)からGFAP陽性グリア様細胞を作成することが可能であることが確認され、これら細胞の有用性を検証した。オリゴプローブをのせたマイクロアレーを用いた2色法による高感度遺伝子発現解析方法の構築とそれを用いた薬剤応答性関連遺伝子パスウェイ解析技術開発、SELDI-TOFMSを応用した高感度迅速プロテオーム解析方法と2次元電気泳動法との併用による包括的薬剤応答性蛋白質発現情報の取得技術開発をおのおの実施し、それぞれの技術の特性解析と最適化を実施した。それら評価技術を用いてall-transレチノイン酸、抗コレステロール剤、抗けいれん剤(バルプロ酸)、抗うつ薬(SSRI)、エタノール、メタンフェタミンのそれぞれの薬剤が遺伝子、タンパク質発現に及ぼす影響を解析し、候補遺伝子、蛋白質の同定に成功した。また、ヒトGFAP陽性細胞を用いて抗うつ薬(SSRI)の薬剤応答性関連遺伝子パスウェイの抽出に成功した。
結論
マイクロアレー、プロテインチップを活用した、ヒト正常神経細胞を用いた薬剤安全性評価システムの開発を目指した3年間のプロジェクトであったが、使用細胞の選定、マイクロアレー解析方法、評価方法、プロテオーム解析方法、評価方法に十分な成果を上げることが出来、ヒト正常神経系細胞(GFAP陽性細胞)を用いた薬剤安全性評価システムを構築することが達成できたと考える。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-