クロマチン転写制御を目的とした人工酵素の開発

文献情報

文献番号
200400190A
報告書区分
総括
研究課題名
クロマチン転写制御を目的とした人工酵素の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 亨(東京大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、ヒトにおけるクロマチン状態からの遺伝子転写を制御することを可能にするための基盤情報の集積及び技術の開発であり、最終的にはナノ技術を応用したクロマチンからの転写の操作を可能にする新しい治療法を開発することである。
研究方法
転写反応の特異性を決定する上でもっとも重要なDNA結合型転写因子との協調的な相互転写反応の特異性を決定する上でもっとも重要なDNA結合型転写因子との協調的な相互作用を通した制御機構に注目し、検討した。具体的には、次のような実験を行った。(1)クロマチン構造変換酵素とDNA結合方転写因子の相互作用の単離・同定。相互作用因子単離同定法、(2)クロマチン構造変換酵素とDNA結合方転写因子の相互作用の機能的意義の解析、(3)クロマチン構造変換酵素の結晶構造解析。
結果と考察
DNA結合蛋白Sp/KLFファミリー因子の相互作用因子を単離・同定し、ATP非依存のクロマチン構造変換因子との相互作用を明らかにした。その結果、世界ではじめてDNA結合蛋白ファミリー因子とATP非依存クロマチン構造変換因子間の相互作用とその特異性を示し、さらにその機能的な意義を示した。また、脱アセチル化酵素によるDNA結合転写因子への直接作用を明らかにし、複数のクロマチン構造変換因子によるDNA結合転写因子への協調的制御をはじめて明らかにした。これらの新規のクロマチンレベルでの遺伝子発現の制御に関わる分子メカニズムに対して創薬を試みた。アデノウイルスベクターによる動物組織での作用の確認を行い、遺伝子治療の可能性を示した。また、相互作用を制御する化合物のスクリーニングを行った。さらに、同定したATP非依存のクロマチン構造変換因子の結晶構造を解析し、X線回折像を得た。最終的には、複合体解析を行い、相互作用の作用点をピンポイントで制御するコンパウンドをデザインする。
結論
このように、私どもはクロマチン構造変換酵素とDNA結合型転写因子の協調的な相互作用を世界に先駆けて見出した。私どもの知見をもとに、選択的なクロマチン転写制御を目的としたクロマチン構造変換因子の酵素活性の制御の技術基盤の整備を進めている。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-03
更新日
-

文献情報

文献番号
200400190B
報告書区分
総合
研究課題名
クロマチン転写制御を目的とした人工酵素の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 亨(東京大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、ヒトにおけるクロマチン状態からの遺伝子転写を制御することを可能にするための基盤情報の集積及び技術の開発であり、最終的にはナノ技術を応用したクロマチンからの転写の操作を可能にする新しい治療法を開発することである。
研究方法
転写反応の特異性を決定する上でもっとも重要なDNA結合型転写因子との協調的な相互作用を通した制御機構に注目し、検討した。具体的には、次のような実験を行った。(1)クロマチン構造変換酵素とDNA結合方転写因子の相互作用の単離・同定。相互作用因子単離同定法、(2)クロマチン構造変換酵素とDNA結合方転写因子の相互作用の機能的意義の解析、(3)クロマチン構造変換酵素の結晶構造解析。
結果と考察
DNA結合蛋白Sp/KLFファミリー因子の相互作用因子を単離・同定し、ATP非依存のクロマチン構造変換因子との相互作用を明らかにした。その結果、世界ではじめてDNA結合蛋白ファミリー因子とATP非依存クロマチン構造変換因子間の相互作用とその特異性を示し、さらにその機能的な意義を示した。また、脱アセチル化酵素によるDNA結合転写因子への直接作用を明らかにし、複数のクロマチン構造変換因子によるDNA結合転写因子への協調的制御をはじめて明らかにした。これらの新規のクロマチンレベルでの遺伝子発現の制御に関わる分子メカニズムに対して創薬を試みた。アデノウイルスベクターによる動物組織での作用の確認を行い、遺伝子治療の可能性を示した。また、相互作用を制御する化合物のスクリーニングを行った。さらに、同定したATP非依存のクロマチン構造変換因子の結晶構造を解析し、X線回折像を得た。最終的には、複合体解析を行い、相互作用の作用点をピンポイントで制御するコンパウンドをデザインする。
結論
このように、私どもはクロマチン構造変換酵素とDNA結合型転写因子の協調的な相互作用を世界に先駆けて見出した。私どもの知見をもとに、選択的なクロマチン転写制御を目的としたクロマチン構造変換因子の酵素活性の制御の技術基盤の整備を進めている。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-