文献情報
文献番号
200400183A
報告書区分
総括
研究課題名
ナノサイズ・センシングカプセルの新規開発と医療応用
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
大内 憲明(東北大学大学院(医学系研究科))
研究分担者(所属機関)
- 武田 元博(東北大学病院)
- 川添 良幸(東北大学金属材料研究所)
- 粕谷 厚生(東北大学学際科学国際高等研究センター)
- 佐竹 正延(東北大学加齢医学研究所)
- 小林 正樹(東北工業大学(電子工学科))
- 水関 博志(東北大学金属材料研究所)
- 石田 孝宣(東北大学病院)
- 樋口 秀男(東北大学大学院(工学研究科))
- 小林 芳男(東北大学大学院(工学研究科))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
33,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
材料工学ナノテクノロジーを医療に応用すべく、シリコンナノ粒子の分子設計、ナノコーティング薬剤カプセルの基礎研究を手がかりに、超高感度な蛍光計測系の確立を目指した。
研究方法
本年度はこれまでの成果を踏まえ、CdSeナノ粒子の原子構造決定、乳がん細胞膜蛋白に対するモノクローナル抗体・量子ドット蛍光ビーズ複合体及びシリコンナノ蛍光マーカーの作成等に関する研究を実施した。
結果と考察
1.金属内包シリコンフラーレンを理論設計し、CdSeナノ粒子の原子構造を決定した(Nature Mat, 2004)。また、微小なエネルギー差を持つ複数量子状態が存在する場合の基底状態を確定した(J Phys Chem, 2004)。更に、遷移金属原子とポルフィリンの組合せにより発光波長を変えることを可能とした (Mol Simul, 2004)。
2.AgI、蛍光ビーズ、量子ドットのシリカコーティングビーズならびに磁性ビーズの作製に成功し、蛍光ビーズに関して安全性の確認を行った。AgIビーズは造影剤として利用可能であることが判明した。
3.発光性標識材としての半導体量子ドットを作製し、表面処理法の開発により発光効率、寿命、安全性を向上させることに成功した。表面を閉じた1nmCdSe を作製し、Si系量子ドットを合成した(特許公開2004-210549)。長耐久化を図るため表面が酸化しても自己修復する量子ドットの試作に成功した。
4.CdSeナノ粒子によるHER2発現乳がん細胞の蛍光イメージングに成功した。高速3次元ナノ顕微鏡の開発により、リアルタイムにin vivoで、がん細胞に集積した蛍光像を体外からリアルタイムに観察することに成功した。
5.蛍光ナノ粒子によるがんセンチネルリンパ節生検法を開発した(Cancer Sci, 2005、特許公開2004-269439)。また、非アレルギー性造影剤としてSi-AgIナノビーズ作成に成功した(Col Surf A, 2004)。
2.AgI、蛍光ビーズ、量子ドットのシリカコーティングビーズならびに磁性ビーズの作製に成功し、蛍光ビーズに関して安全性の確認を行った。AgIビーズは造影剤として利用可能であることが判明した。
3.発光性標識材としての半導体量子ドットを作製し、表面処理法の開発により発光効率、寿命、安全性を向上させることに成功した。表面を閉じた1nmCdSe を作製し、Si系量子ドットを合成した(特許公開2004-210549)。長耐久化を図るため表面が酸化しても自己修復する量子ドットの試作に成功した。
4.CdSeナノ粒子によるHER2発現乳がん細胞の蛍光イメージングに成功した。高速3次元ナノ顕微鏡の開発により、リアルタイムにin vivoで、がん細胞に集積した蛍光像を体外からリアルタイムに観察することに成功した。
5.蛍光ナノ粒子によるがんセンチネルリンパ節生検法を開発した(Cancer Sci, 2005、特許公開2004-269439)。また、非アレルギー性造影剤としてSi-AgIナノビーズ作成に成功した(Col Surf A, 2004)。
結論
これらの成果はナノレベルで生体内の特異的な高感度蛍光計測が可能であることを示し、今後、がんの細胞レベルでの診断や、薬物動態の研究などへの応用が期待される。
公開日・更新日
公開日
2005-06-02
更新日
-