文献情報
文献番号
200400068A
報告書区分
総括
研究課題名
異種移植の実施に伴う公衆衛生上の感染症問題に関する指針の実効性の向上に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
吉倉 廣(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
- 神田 忠仁(国立感染症研究所)
- 宮沢 孝幸(帯広畜産大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【ヒトゲノム遺伝子治療研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
異種移植ではドナー動物由来感染症が懸念される。感染症は患者の近親者や医療従事者へ伝搬し、さらに国境を超えて拡大する可能性があり、国際機関の主導のもとに感染症対策の枠組みが作られつつある。海外の規制状況を調査して、我が国の指針の適切な運用と追跡調査の国際ネットワークへ参加するために必要な情報を得る。重度火傷の治療に使う培養皮膚は、マウス細胞をフィーダー細胞として使うため異種移植に該当する。フィーダー細胞の品質管理に必要な情報を発信する。ドナー動物として利用される可能性が最も高いブタに存在する内在性ブタレトロウイルスに関する情報の収集と感染を検出する技術を開発する。
研究方法
WHOの報告書や米国のXenotransplantation Advisory Committeeの会議資料を入手し、FDA担当者から情報を得た。我が国で使われているフィーダー細胞株の性質を調べた。ドナー用遺伝子改変ブタ作製の状況を調査した。
結果と考察
WHOは第57回総会報告書で、異種移植の実施には政府による適切な規制と追跡調査の枠組み、二次感染の予防措置が必要なことを強調した。米国の専門家会議では、規制の無い国で異種移植医療が実施される可能性を取り上げ、国際的な情報共有の重要性を指摘した。患者が動物由来感染症に罹患した可能性がある場合に強制的隔離を可能にする法的な枠組み等が議論された。
培養皮膚の作製に使うマウス3T3細胞には内在性レトロウイルスのプロウイルスが存在している。3T3細胞株の中には、DNAフィンガープリントのパターンが異なる細胞があった。
我が国で作られているドナーブタには、移植臓器を自然免疫系から守るためにヒトのdecay-accelerating因子遺伝子を導入し、さらにα1,3-galactose転移酵素を欠失させる遺伝子改変が進められていた。これらのブタには、ブタレトロウイルスA、B及びC型の完全長プロウイルスが存在していた。
培養皮膚の作製に使うマウス3T3細胞には内在性レトロウイルスのプロウイルスが存在している。3T3細胞株の中には、DNAフィンガープリントのパターンが異なる細胞があった。
我が国で作られているドナーブタには、移植臓器を自然免疫系から守るためにヒトのdecay-accelerating因子遺伝子を導入し、さらにα1,3-galactose転移酵素を欠失させる遺伝子改変が進められていた。これらのブタには、ブタレトロウイルスA、B及びC型の完全長プロウイルスが存在していた。
結論
1)異種移植の実施における感染症対策には、国際的な枠組みに参加する必要がある。
2)培養皮膚の作製に使うマウス細胞はバンクシステムに基づいた適切な品質管理が求められる。
3)我が国で作製されている遺伝子改変ブタの内在性レトロウイルスは、ヒトの自然免疫に抵抗性を獲得している可能性が高く、ヒトへの感染性について検討が必要である。
2)培養皮膚の作製に使うマウス細胞はバンクシステムに基づいた適切な品質管理が求められる。
3)我が国で作製されている遺伝子改変ブタの内在性レトロウイルスは、ヒトの自然免疫に抵抗性を獲得している可能性が高く、ヒトへの感染性について検討が必要である。
公開日・更新日
公開日
2005-05-10
更新日
-