文献情報
文献番号
200400067A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝子治療・再生医療等の探索的臨床研究における審査・実施支援体系の開発と標準化に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小俣 政男(東京大学医学部附属病院(消化器内科))
研究分担者(所属機関)
- 荒川 義弘(東京大学医学部附属病院(臨床試験部))
- 大橋 靖雄(東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻生物統計学分野)
- 山崎 力(東京大学大学院医学系研究科クリニカルバイオインフォマティクス研究ユニット)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【ヒトゲノム遺伝子治療研究】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
臨床研究は大学病院等の使命であり、国際的にも通用する品質の研究を実施する必要性がある。本研究では、日本の臨床研究の品質の現状を鑑み、まず、臨床研究全般における申請・審査・実施支援体系を実地に即して開発し、その後に探索的臨床研究における固有の課題について整備することを目指す。
研究方法
品質向上には世界標準であるICH-GCPを準用することとした。また、東大病院をモデルに、実地に則して支援体制を構築し、公開して普及を図り、標準化を目指すこととした。
結果と考察
平成14年度から15年度は、薬物治療に関する臨床研究の指針、手順書、手引を整備し、東大病院にて運用を開始するとともに、メーリングリスト・ホームページ等での公開・意見聴取、セミナー開催や学会・講習会での講演等を通じて普及を図った。特に、「自主臨床試験および未承認薬等の臨床使用の指針」や「自主臨床試験の実施計画書作成の手引き」は、他に類を見ないものであり、多くの施設で参考にして頂いている。平成15年度から平成16年度は、これまでに培ったノウハウをもとに、新たに動き出した医師主導治験の支援体制の整備を行うとともに、探索的臨床研究の審査・支援体制の整備のモデルとして、造血幹細胞移植領域における国内未承認薬の医師主導の治験の準備・管理・実施の支援を行った。特に、ここで整備した「東京大学医学部附属病院治験取扱規則(標準業務手順書)」は、医師主導の治験へ対応するために大幅に拡充し全面改訂したもので、他施設での手順書作成に資するためにメモを付したものをホームページやメーリングリストを通じて公開した。未承認薬(Campath 1H)を使用した造血幹細胞移植領域での探索的臨床試験では、適応の特殊性から比較対照や用量の設定の困難さ、適応外使用併用薬の存在などの点で薬効評価のあり方が問われる試験であった。機構相談、各施設での審査を経て、平成17年1月に東大病院で第1例目の治験の実施を開始した。また毎年公開セミナー「東大病院臨床試験セミナー」を開催し、成果の普及を図った。
結論
日本で大幅に立ち後れていた研究者主導の臨床試験、医師主導の治験の審査・実施の支援体制の枠組の整備については、ほぼ達成することができた。支援の更なる拡充には人材の育成や臨床試験に適した資金の確保などインフラの整備が必要である。
公開日・更新日
公開日
2005-04-27
更新日
-