多施設連携による高齢者主要疾患横断的メディカル・バイオリソースバンク及びデータベース構築と遺伝子・遺伝子産物網羅的解析に基づく疾患・薬物応答関連分子経路の解明

文献情報

文献番号
200400060A
報告書区分
総括
研究課題名
多施設連携による高齢者主要疾患横断的メディカル・バイオリソースバンク及びデータベース構築と遺伝子・遺伝子産物網羅的解析に基づく疾患・薬物応答関連分子経路の解明
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
吉田 輝彦(国立がんセンター研究所(腫瘍ゲノム解析・情報研究部))
研究分担者(所属機関)
  • 後藤 雄一(国立精神・神経センター神経研究所(疾病研究第二部))
  • 山田 哲司(国立がんセンター研究所(化学療法部))
  • 安田 和基(国立国際医療センター研究所(代謝疾患研究部))
  • 友池 仁暢(国立循環器病センター(病院長))
  • 斎藤 博久(国立成育医療センター研究所(免疫アレルギー研究部))
  • 澤田 純一(国立医薬品食品衛生研究所(機能生化学部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【ヒトゲノム遺伝子治療研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
190,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
認知症、がん、糖尿病、高血圧、喘息等の疾患の革新的な診療・予防法開発を最終目的として、遺伝子及び遺伝子産物網羅的な解析技術を駆使し、疾患及び薬物治療関連分子経路の解明を行う。特に、そのために必要な研究基盤として、omics解析に対応し、高度な科学性・倫理性を備えた多施設連携型のバイオリソースバンク及び個々の疾患・薬物応答研究に特化した施設内データベースをモデル構築する。
研究方法
国立高度医療センターを中心に試料及び臨床情報・生活習慣情報の集積を進め、各疾患研究を展開した。アルツハイマー病患者脳及びアレルギー性鼻炎の鼻粘膜組織のマイクロアレイによる発現解析を行った。放射線化学療法を実施した食道がんの治療前血清に独自のプロテオーム解析を適用した。糖尿病・高血圧のゲノム多型を解析した。薬物応答関連候補遺伝子の日本人多型データを基にハプロタイプ解析を行った。
結果と考察
5疾患及を併せて2800例以上の新規試料等の登録収集を行うとともに、様々なプロジェクト収集された既提供試料等の集積・統合を図った。アルツハイマー脳で特異的に発現が上昇している遺伝子を同定した。血清プロテオーム解析により、食道がんの放射線化学療法の奏効性を90%以上の確率で予測するシステムを開発した。糖尿病罹患同胞対解析により、日本人に固有と思われる11p13付近の連鎖を見出した。IL6遺伝子多型と血圧の関連、アディポネクチン遺伝子多型と血清アディポネクチン及びインスリン抵抗性との関連等を明らかにした。アレルギー疾患患者由来炎症組織固有に発現する遺伝子約200種類と、LPSやステロイドにより発現制御を受ける遺伝子群を同定した。CYP3A4等4種の薬物代謝酵素遺伝子の日本人のハプロタイプ構造と頻度を明らかにした。疾患に特化した施設内バイオバンクを多施設連携・疾患横断型解析の視点で構築する意義は大きく、様々な共同研究等により合理的な医療の個別化や、革新的な診療標的分子の同定につながる。今回、臨床試料等の蓄積と、新たに開発したプロテオーム解析系・統計学的処理の組み合わせにより食道がんの予知医療に直接貢献する知見が得られたことは、本研究が構想する研究戦略の重要性・有用性を示している。
結論
環境要因を踏まえた疾患遺伝子及びその産物の体系的解析に基づく疾患研究を推進するために必要な基盤形成に着手するとともに、個別の疾患・分子に関する新しい知見・成果を得た。

公開日・更新日

公開日
2005-04-27
更新日
-