生命科学研究資源基盤としての培養細胞株の収集・保存・供給システムの整備に関する研究

文献情報

文献番号
200400058A
報告書区分
総括
研究課題名
生命科学研究資源基盤としての培養細胞株の収集・保存・供給システムの整備に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
水澤 博(国立医薬品食品衛生研究所変遺伝部第三室)
研究分担者(所属機関)
  • 増井 徹(国立医薬品食品衛生研究所変異遺伝部第三室)
  • 許 南浩(岡山大学大学院医師学総合研究科)
  • 原澤 亮(岩手大学農学部)
  • 立花 章(京都大学放射線生物研究センター)
  • 木村成道((財)東京都老人総合研究所)
  • 安本 茂(神奈川県立がんセンター)
  • 田中憲穂((財)食薬安全センター秦野研究所)
  • 執印太郎(高知大学医学部腎泌尿器制御学)
  • 嶋田 裕(京都大学腫瘍外科)
  • 井口東郎(国立病院九州がんセンター臨床研究部)
  • 柳原五吉(国立がんセンター研究所実験動物管理部)
  • 永森静志(杏林大学医学部総合医療学科)
  • 小林真一(聖マリアンナ医科大学薬理学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【ヒトゲノム遺伝子治療研究】
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
120,082,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は細胞バンク事業の整備と国内外の生命科学研究の支援を目的とする。細胞バンク事業は定常的業務の累積だが、寄託される培養細胞の種類、品質、培養条件等により多くの問題が発生する。我々は、それらを鋭敏に検知して解決を図る。今年度末に細胞バンク施設は大阪へ移転した。それに伴い培養は長期間停止したので、データの整理やシステムの改修等、培養を伴わない課題を中心に研究開発を進めた。STR分析も培養を伴わずに行った。
研究方法
培養細胞クロスコンタミ検出STR分析データベースを見直した。コンピュータのプラットフォームは、8086系CPU、LINUX、Windows、Perl、Delphi、dBASE, MySQLを使用した。1999年より開始したSTR分析を継続して実施し、約100種類のヒト培養細胞でSTR分析を行った。DNAの抽出には細胞培養を伴っていたが、フィルター吸着法により凍結アンプルから直接DNAが回収できるようになったので活用した。
結果と考察
データベースへのデータ記述方法を再検討し、ピークの有無を0、1と記録していた方法を改めピーク位置を直接入力するようにした。このデータベースは、入力プログラムを通じて実験結果を記録し、WEB上にテキストデータとして出力しクロスコンタミ確認に利用する。データ書式の変更に伴い入力・出力プログラムを全面的に書き換えた。またクロスコンタミネーション確認のためのWebプログラムを修正すると共に、任意の少数の細胞のみの近縁率を比較するプログラムを新たに作成して、公開した。これにより少数の候補細胞間でクロスコンタミの有無の判定が迅速に出来るようになった。これまでに当バンクで収集した全てのヒト細胞に関するSTR分析は完了した。今後収集する細胞については、その都度品質管理作業の一環として逐次分析する計画である。これまでに収集したヒト細胞(約750種)ではおよそ8%が誤った細胞であると確認された。
結論
細胞バンクの移転に伴い細胞バンク情報のURLは下記に変更になった(http://cellbank.nibio.go.jp/)。今回報告したプログラムシステムの修正は、ホームページ中の”CellID”に反映している。細胞の誤謬は8%という結果であったが、この結果は多くの研究者に意外に多いと認識されており、危機感が強まっている。今後研究者を対象に啓発活動を強化する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2005-04-27
更新日
-