原爆放射線の内部被曝による健康影響に関する調査研究

文献情報

文献番号
200401405A
報告書区分
総括
研究課題名
原爆放射線の内部被曝による健康影響に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小佐古 敏荘(東京大学大学院 工学系研究課 原子力専攻 )
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は不明な点が多い原爆放射線による内部被曝に対する科学的知見を集積
することであり、その結果原爆による内部被爆線量評価について一定の科学的考察を得ることである。
研究方法
内部被曝に関しての基礎事項をまとめ、関係者の利用に供する形でスライド形式にこれをまとめる。さらに専門家ヘの聞き取り調査により、放射線生物研究の基礎理論、それが細胞から、組織、生態へと展開される状況の取りまとめ、さらに内部被曝との関連でそれがどのように関連付けられるかについてまとめる。これも関連する研究者等への利用の弁を考え、スライド形式にまとめる。
結果と考察
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づき、厚生労働省は疫病・障害認定審査会原子爆弾被爆者医療分科会で原爆症の認定審査を実施している。この認定は申請者が被爆した場所に基づき、被爆地の被爆線量を推計するシステム(DS86)より導かれた放射線被曝線量を目安に、放射線起因性等の判断にあたつては原爆放射線の影響、いわゆる蓋然性についでの確率<原因確率)などを参照にしているが、被爆線量のうち内部被曝線量については、外部被曝線量と比べ小さいことから、悪性腫瘍や白血病などの原爆症の発症について、ほとんど影響がないものと考えられていた。しかし、昨今の行政訴訟等においては、原爆症の発症における内部被爆の影響について取り上げられており、内部被爆による健康影響についての評価が求められている。低線量の内部被爆は健康影響がほとんどないといえるが、その根拠については明確でない点もある。本研究では、原爆放射線による内部被曝の健康影響について、関連文献の収集の実施などデータの集積等を行い、最近の科学的知見を整理し、現時点での原爆放射線における内部被曝の論拠を取りまとめ、健康影響についての検討の根拠を提供した。
結論
広島及ぴ長崎に投下された原子爆弾放射線による内部被曝の健康影響について、その基礎となるデータを収集し、科学的なレビューとしてこれ研究した。原爆線量評価に関連した内部被曝研究のまとめとスライド化は、今後の関係者の議論に役立つ大変特色のあるまとめであるといえる。  ‐

公開日・更新日

公開日
2007-04-27
更新日
-