臨床研修必修化を踏まえた公衆衛生医師の確保方策の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
200401402A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床研修必修化を踏まえた公衆衛生医師の確保方策の在り方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
中村 桂子(東京医科歯科大学大学院)
研究分担者(所属機関)
  • 河原 和夫(東京医科歯科大学大学院)
  • 曽根 智史(国立保健医療科学院公衆衛生政策部)
  • 松田 晋哉(産業医科大学)
  • 大井田 隆(日本大学医学部)
  • 渡辺 雅史(東京医科歯科大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は平成16年度の医師臨床研修必修化を踏まえ、公衆衛生に深い理解を持つ若手臨床医の育成を視野に入つつ、公衆衛生(行政)関係分野に従事する医師(以下、公衆衛生医師という)の確保対策の在り方を研究し、公衆衛生(行政)関係分野に携わる人材の確保・育成に資するモデル案を作成し提示したものである。
研究方法
① 既に社会医学系の職務(中央官庁、地方公共団体、大学等)に従事している若手公衆衛生医師を対象とし、現在の職務を選択するに至った動機等について調査を実施した。公衆衛生医師のキャリア形成に役立つ教育、研修、情報伝達について分析した。② 全国研修指定病院および保健所を対象に、「地域保健・医療」研修プログラムの実施計画に関する資料提供を依頼した。ヒアリング調査をあわせて実施した。研修プログラムの特色、重視点、問題点を整理し、公衆衛生医師の確保に効果的な卒後臨床研修「地域保健」のモデルプログラム開発を試みた。③ ①②の結果をふまえ、公衆衛生医師の確保に効果的な臨床医を対象とする啓発セミナーのモデルプログラム及び使用教材の検討を行った。
結果と考察
①医学部卒業後のキャリアでは、臨床医学を経て行政分野に進んだ者が最も多く、臨床医学を経て社会医学教育研究、卒業後すぐに行政、卒業後すぐに教育研究が続いていた。卒前教育における社会医学教育の充実、公衆衛生医師との交流の機会を確保するとともに、臨床医となった後にも公衆衛生医師との情報交換が可能な環境があることが、公衆衛生医師のキャリア選択の機会を拡大すると考えられた。②計画されている「地域保健・医療」のプログラムのプレアセスメントを行った結果、研修医が知識技能ともに多くを獲得できると期待されるものがある一方、見学のみに終わってしまい研修目的が十分達成されないと予想されるものが存在した。公衆衛生医師確保の観点から、行政型、地域医療型、地域保健型の3つのモデルプログラムを提示した。③臨床医を対象とした定期的な啓発セミナーは、関心を持つ医師が様々な公衆衛生医師と交流をはかる機会を提供し、公衆衛生医師確保に有用と考えられた。
結論
卒前医学教育における社会医学教育の充実と、医学生および臨床医師を対象とする公衆衛生医師との交流の機会を拡大することは、公衆衛生医師確保に有用な方策である。社会医学に関心のある研修医にとって有意義な「地域保健」臨床研修のモデルプログラムを示した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-22
更新日
-