医師の後期臨床研修に関する研究

文献情報

文献番号
200400038A
報告書区分
総括
研究課題名
医師の後期臨床研修に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 慧重((財)医療機器センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成16年度から、診療に従事しようとする医師は臨床研修病院において2年以上臨床研修を受けなければならないことが定められた。この研修はプライマリ・ケアの基本的な診療能力を取得するものである。一般に、臨床医は一定の専門領域を持って患者に医療を提供しており、上記の臨床研修終了後、専門領域の基礎的な研修を行う必要がある。そのためには、内科、外科等の基本的な領域において、一定水準の臨床能力を持つための研修システムを考える必要があると考えた。
研究方法
現状を把握するため、臨床研修修了後の研修・教育体制の有無、病院の当該教育・研修に対する体制、教育・研修の内容等についてのアンケート調査を実施した。その結果を分析し、新医師臨床研修制度における研修の終了後も、よき臨床医師を育てるために、引き続き系統的に教育を受けるシステムが必要と考えた。
結果と考察
調査結果より、卒後3年次以降の専門的な診療科に進むための研修を「診療科研修プログラム」として、研修試案の概要を示した。具体的には、臨床研修終了後の教育・研修の場合、目標と達成過程を明確化し、専門領域とその関連領域での研修を行い、時には他施設との質の高い交流研修を重ね、普遍的な倫理を学び、広い視野で専門性に富むよき臨床医を育てることを目指したプログラムを提言した。提言したプログラムの概要は下記の通りである。
研修コースの年限は専門領域において年限は異なるが、新医師臨床研修制度終了後3年ないし5年を想定する。これらの研修プログラムにおいては、原則として達成目標、経験すべき疾患およびその症例数、経験すべき検査手技を明示するべきである。更に、研修の質を担保するためには研修生の定員を定める。研修を行う施設は、提供できる研修コース及びそれを取得するための研修プログラムを公表する。研修プログラム毎に、外形基準としての指導責任者、募集人員が公表されなければならない。また、教育内容として到達目標、経験すべき疾患およびその症例数、経験すべき検査手技も公表する。
結論
本研究により得られた臨床研修終了後の研修・教育の基準に則したプログラムが多数の医療機関において策定され、有能な臨床医を目指す若手医師がそのプログラムに沿って研修を積み重ねることにより、我が国の臨床医療水準を向上させることが期待される。
 また将来、公開された研修コース、プログラムを比較検討し応募することが可能になるよう第三者機関において研修コース、プログラムの公平な公開の場が設営されることが期待される。


公開日・更新日

公開日
2005-07-08
更新日
-