文献情報
文献番号
200400035A
報告書区分
総括
研究課題名
スギヒラタケ中の有害成分の分析に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
米谷 民雄(国立医薬品食品衛生研究所(食品部))
研究分担者(所属機関)
- 佐々木 久美子(国立医薬品食品衛生研究所(食品部))
- 小西 良子(国立医薬品食品衛生研究所(衛生微生物部))
- 穐山 浩(国立医薬品食品衛生研究所(食品部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成16年秋に原因不明の急性脳症が疑われる患者の報告が多数あり、共通因子としてスギヒラタケ摂取と腎障害が浮かび上がってきた。そこで、スギヒラタケ摂取が原因であるとの前提のもとに、スギヒラタケについてその原因物質を追求することが喫緊の課題になったため、緊急的に汚染物質や当該キノコに元来含まれる成分等について、分析を実施することにした。
研究方法
①外部汚染が考えられた農薬及び有害金属、②カビ及びカビ毒、③キノコに元々含まれている成分の、3つの観点から、化学分析を行った。
結果と考察
①の外部汚染が考えられた農薬及び有害金属については、分析対象とした項目では、他の食品と比べて高い濃度を示すものはなかった。その中では水銀濃度が注目された。
②カビについては、CladobotryumとTrichodermaを分離した。カビ毒では、LC/MSによりトリコテセン系マイコトキシンを一部の試料から検出した。また、腎毒性があるオクラトキシンAとシトリニンに対する抗体に交差反応性を示す物質を検出した。
③キノコに元々含まれている成分については、各地からのスギヒラタケについての逆相HPLC-UV分析で共通の数ピークを検出し、それらを単離・精製し、tryptophan、linoleic acid、oleic acid、isoamylamineと同定した。一方、原因物質候補であったムシモール、べタイン、イボテン酸、カイニン酸、ドウモイ酸、α-アマニチン、ファロイジンは含まれていなかったが、ドウモイ酸に対する抗体と交差反応性を示す画分を見出した。二次元HPLCでは、スギヒラタケに特徴的なピークを検出した。また、スギヒラタケのレクチン解析では、耐熱性の特徴的なレクチンを検出した。さらに、分析した6試料のうち3検体から高濃度のシアン化物イオンを検出した。
②カビについては、CladobotryumとTrichodermaを分離した。カビ毒では、LC/MSによりトリコテセン系マイコトキシンを一部の試料から検出した。また、腎毒性があるオクラトキシンAとシトリニンに対する抗体に交差反応性を示す物質を検出した。
③キノコに元々含まれている成分については、各地からのスギヒラタケについての逆相HPLC-UV分析で共通の数ピークを検出し、それらを単離・精製し、tryptophan、linoleic acid、oleic acid、isoamylamineと同定した。一方、原因物質候補であったムシモール、べタイン、イボテン酸、カイニン酸、ドウモイ酸、α-アマニチン、ファロイジンは含まれていなかったが、ドウモイ酸に対する抗体と交差反応性を示す画分を見出した。二次元HPLCでは、スギヒラタケに特徴的なピークを検出した。また、スギヒラタケのレクチン解析では、耐熱性の特徴的なレクチンを検出した。さらに、分析した6試料のうち3検体から高濃度のシアン化物イオンを検出した。
結論
3つの観点から化学分析を広範囲に実施したが、単離した化合物の評価方法が確立されていないこともあり、未だ原因物質の究明には至っていない。そのため、次年度も引き続き③のスギヒラタケ成分の化学分析を中心として研究を継続し、原因物質を究明することが重要と考えられる。
公開日・更新日
公開日
2005-06-30
更新日
-